NFLのプレーオフ、ピーコックが独占生配信 スポーツ配信で過去最高の2,300万人が視聴

編集広報部

米NBCUの配信サービス「ピーコック」が史上初めて独占生配信した1月13日のNFLプレーオフ(ワイルドカードゲーム)。その平均視聴者数は2,300万人と、米国内のスポーツ生配信(ストリーミング)で過去最高となった。親会社のコムキャストの発表によると、ライブ配信時の国内インターネット・トラフィック(一定時間にネットワークを流れるデータ量)も30%を占めた。

カンザスシティ・チーフスが26対7でマイアミ・ドルフィンズを下した注目の一戦。リニアで生中継されたのは両チーム地元のNBC系列局のみ。その他の地域のアメフトファンはピーコックと有料契約しないと試合を見られないという、NFLのプレーオフ中継初の事態となった。

ソーシャルメディアには全米のファンから「月6ドルで新規契約しないと試合が見られないのか」と怒りの投稿が多く寄せられた。若者からは「親が配信に弱いから、ピーコックへの新規契約と画面へのアクセスを手伝わされた」というジョーク交じりの投稿も。

コムキャストにとっては、そこが最大の狙い。この日の新規契約者数を市場調査会社のAntennaは280万と推計している(コムキャストは未発表)。このためコムキャストは技術面でも周到に準備し、一気に押し寄せる新規契約の受け入れ体制を整えていたという。

この独占配信に先立ち、ニューヨーク州選出のパット・ライアン下院議員(民主党)がNFLとNBCスポーツに苦言を呈する書簡を送っている。「これまでNFLプレーオフの試合は全国のテレビネットワークで追加料金なしに見ることができた。ところが今年、ファンはピーコックと有料契約しなければならない。ケーブルテレビのパッケージの一部としてNBCに対価を払っている(その他の地域の)視聴者にとって、NBCで見られないのはまるで"おとり広告"ではないか」と批判し、試合をテレビで放送するよう求めていた。高額化するスポーツ放送権料と配信への流れ をめぐるこんな"場外乱闘"も、今年のスーパーボウルの行方と同様に見逃せない。

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