米Netflix初のメジャースポーツ中継となるNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のクリスマスゲーム(既報)。Netflixは12月25日、カンザスシティ・チーフス対ピッツバーグ・スティーラーズ、ボルチモア・レイブンズ対ヒューストン・テキサンズの2試合を世界に生配信する(冒頭写真はNetflixの告知サイト)。この2試合の広告枠が完売したと米メディアが11月半ばに報じた。オンラインのスポーツゲームやスポーツベッティング(賭博)を運営するFanDuel社と、通信大手のベライゾンがスポンサーに決まったという。ブルームバーグによればNetflixはNFLに中継権料として2試合で1億5,000万㌦(約232億3,000万円)を支払っているという。
広告費の詳細は明らかではないが、パッケージ料金で推計500万㌦以上。Netflixの主な収入源は依然としてユーザーからの契約料だが、今後、広告収入も重要になっていくとみられ、今回のNFLクリスマスゲームはその試金石となる。2試合で7時間に及ぶ生中継のCM枠が早々と完売し、幸先のいいスタートとなった。Netflixが2年前に導入した広告入りプランの契約者数もここに来て7,000万人に達したと報じられている。なお、アメフトの中継実績に乏しいNetflixをカバーするため、今回の制作はCBSスポーツが請け負うことが今年夏に決まっている。
さらにNetflixはクリスマスゲームの視聴者数を測定するためニールセンと契約したと発表。今回の生配信の視聴者数を業界標準データで示すことで契約者の維持と新規契約者の獲得につなげようというもくろみだ。
一方、この中継に不安感が高まったのが11月15日。この日、Netflixが世界に生配信したボクシングの試合(ユーチューバーのジェイク・ポール対元ヘビー級世界チャンピオンのマイク・タイソン)で技術的なトラブルが発生。中継が途切れたり、映像が映らない、画面がピクセル化するなどの苦情が50万件以上寄せられたのだ。ピーク時には世界で6,000万人以上が視聴する注目度だっただけに、米メディアは一斉に「NFLクリスマス中継に暗雲」と報じたがNetflixはコメントを避けている。
▶FOXのスーパボウルも記録的金額で完売
NFLといえば恒例の第59回NFLスーパーボウル。2025年2月にFOXが独占中継するが、こちらも30秒枠が最低700万㌦という記録的な価格で完売したとFOXが発表した。23年にFOXが中継した第57回の30秒枠は約650万㌦だった。この時の視聴者数は1億1,510万人、5億9,000万㌦を売り上げている。