米ジャーナリズム競争・保護法案、上院司法委員会を通過 オンライン・プラットフォームへの共同交渉権を新聞・放送に

編集広報部

米連邦議会上院の超党派議員による「ジャーナリズム競争・保護法案」(Journalism Competition and Preservation Act:JCPA)」が6月15日、上院の司法委員会を賛成14票・反対7票で通過した。全米放送事業者連盟(NAB)は直ちにこれを歓迎する声明文を発表したが、成立までには今後、上院と下院での投票を経て、大統領が署名する必要がある。下院の通過は困難視されており、法律化までは時間がかかりそうだ。

同法案は2021年、エイミー・クロブシャー上院議員(民主・ミネソタ州選出)、ジョン・ケネディ上院議員(共和・ルイジアナ州選出)の主導で提出された。FacebookやGoogleなどの巨大なオンライン・プラットフォームに対する交渉力をニュース・パブリッシャー(新聞、放送、雑誌など)に持たせようとするもの。プラットフォームに対し、特に中小規模の新聞や放送などローカルメディアがそこで流通するニュースコンテンツの掲載料や掲載条件について、複数の事業者が共同で交渉することを連邦ならびに州の独占禁止法の適用対象外にする。交渉の過程でパブリッシャー側がコンテンツをネット上から共同で撤収する行為を認めるほか、交渉が合意に至らない場合は中立的な第三者による仲裁に委ねられる。

法案は22年8月に改訂版が提出され、翌9月には上院司法委員会を通過したが、同年12月Facebookなどを運営するMeta社が「議論が不十分」と批判。「法律化されればFacebookはニュースコンテンツを全面的に削除する」と激しく反対した。今回、同委員会を通過した法案は、その後さらに改訂され、今年3月31日に再提出されていた。共同交渉の結果、プラットフォームに不利が生じた場合もニュース媒体に報復的な行動を取ってはならないことなどが盛り込まれている。同様の法案はカリフォルニア州でも提出されており、オンライン・プラットフォームがニュース媒体に月額の記事掲載料を支払うことが提案されているが、ここでもMeta社は同じように反対していた。

クロブシャー上院議員は「法案の中核は、ニュース媒体がIT企業に対して公平な立場で交渉できるようにすること。AI機能の発達で、ニュースコンテンツが自動的に拾われてしまう時代に、この法案は早急に可決され、法律化されるべき」と話している。

一方、今回反対を投じたアレックス・パディラ上院議員(民主、カリフォルニア州選出)は、「IT企業から徴収した掲載料を各媒体がきちんと社員への報酬に充当するのかが明確になっていない」と指摘。クロブシャー議員は引き続きこうした反対派の意見を聞き、調整していくとしている。


【参考】巨大プラットフォームとテレビのローカルニュースについては、「米国ローカルテレビ篇スピンオフ~ローカルニュースを守るには?~「データが語る放送のはなし」⑱」をあわせてお読みください。

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