米メディア企業チャーター・コミュニケーションズのケーブルネットワークであるスペクトラム・ネットワークスが、配信デバイスRokuとAppleTV向けに、ローカルニュースアプリ「Spectrum News」を立ち上げたと9月8日に発表した。
スペクトラム・ネットワークスは、カリフォルニア、フロリダ、ニューヨークなど全米12州、30以上の都市でローカルニュース局を運営している。地元に根付いた報道など評価が高いとされ、全米ネットのニュース局をしのぐ視聴者数を誇るという。スペクトラムが提供する地元ケーブルサービスとの有料契約ベースなので、本来ならば契約者以外は視聴できない。しかも、同じスペクトラムのニュース局とはいえ、自分が住む地域の局しか視聴できない。
この新アプリは、そうした各地の有料契約者が、全米のスペクトラム・ニュースのコンテンツを、地元視聴者同様にライブまたはオンデマンドで配信視聴できるようにするもの。加えて、アプリ向けのオリジナルコンテンツも制作していく方向だ。
誰でも無料視聴できるお試し期間を30日間設定。その後も、各地の有料ケーブル契約者は引き続き無料で視聴できる。ケーブルボックス経由の従来型契約者はもちろん、オンラインのみの契約者も対象となる。言い換えれば、お試し期間を過ぎれば、地元のケーブルテレビと契約しなければアプリ視聴することができなくなる。これによってコードカッターがテレビでの視聴に戻ってくるかどうかは不明だ。
スペクトラム・ネットワークスのマイク・ベイヤー副社長は、「アメリカ人がテレビを最も重要なローカルニュース源と見なす今、地域に根差したローカルジャーナリズムは今まで以上に必要不可欠なものになっている」と話し、ニュースへのアクセシビリティを向上させる努力を今後も続けていく方針を示した。配信デバイス経由でのアプリ運営もその一環という。
スペクトラム・ネットワークスはすでに、モバイルデバイス用のアプリも運用しているほか、デジタル専用のローカルニュース事業も立ち上げるなど視聴者へのアクセスを広げようとしている。