米リージョナル・スポーツ・ネットワーク(RSN)大手「ダイヤモンド・スポーツグループ」は1月半ば、事業再建計画を発表した。Amazonからストリーミング事業への投資を受けることで債権者が合意した。ダイヤモンドは米メディア大手シンクレア・ブロードキャストグループ傘下のRSNで、バリー・スポーツを有する。多額の負債を抱え昨年3月に再建型破産を申請していた。
Amazonは今後、配信サービスのAmazon Prime Videoに「Bally RSN」チャンネルを開設し、ダイヤモンドのローカルチャンネルをライブ配信する。大リーグ野球(MLB)、NBA、アイスホッケーリーグ(NHL)の40チーム以上の試合が有料で視聴できるようになる。
ウォール・ストリート・ジャーナルほか米メディアによると、ダイヤモンドが破産から脱却すると、Amazonは転換社債で1億1,500万㌦を投資することも決まっているという。ダイヤモンドの主な債権者グループも今後の再建経費と債務返済資金として4億5,000万㌦を融資することで合意した。
ダイヤモンドとシンクレア間で泥沼化していた訴訟も和解した。ダイヤモンドが提訴していたもので、シンクレアがダイヤモンドの破産申告前に15億㌦を不正に支出していたというもの。シンクレアは否定していたが、今回の再建計画の下でダイヤモンドに4億9,500万㌦の示談金を支払うことで合意した。
リニアの事業モデルが崩れつつあるRSNは、一方で地上波ローカル局には好機との声もある(冒頭の関連記事リンク参照)。大手のダイヤモンドが配信を介して存続を図ることになったことで、その去就はますます混沌としてきたといえそうだ。