米大統領選討論会 ABC主催で9月10日に

編集広報部
米大統領選討論会 ABC主催で9月10日に

米民主党の大統領候補に決まったカマラ・ハリス副大統領と共和党候補のドナルド・トランプ前大統領の討論会の行方が注目されていたが、当初の予定どおり9月10日にABCニュースの主催で開くことでハリス、トランプの両氏が合意した(冒頭画像はABCニュースのサイトから)。8月8日にニューヨーク・タイムズ紙ほか米メディアが伝えた。しかし、その後、討論中に双方のマイクを常にオンにするか、発言していない方をオフにするかで両陣営がもめ、一時はトランプ氏が討論会への欠席を示唆するなど協議が続けられていた。8月27日には発言しない方をミュートにするという前回同様のルールを適用することで合意したと伝えられている。

このマイクのルールについてハリス陣営は「討論中、双方のマイクは常にオンにしておくべき」と主張。トランプ陣営は「発言しない方のマイクはオフにすべき」と反論して譲らなかった。トランプ陣営としては、6月27日のバイデン×トランプによる前回のCNN主催の討論会が同様のルールでうまくいったこともあるが、マイクが常にオンになると、トランプ氏が90分間行儀よくしているわけがないというアドバイザーらの懸念が強かったと言われている。

8月16日現在の情報によると、9月10日の討論会はペンシルベニア州フィラデルフィアの国立憲法センターで行われ、プライムタイムに生中継される。所要時間は90分。司会はABCのアンカー、デービッド・ミューアとリンジー・デイビスが務める。地上波ABCと配信ネットワークABC News Live、Hulu、Disney+で生中継する。その他の地上波、ケーブルテレビでも同時中継される見込みだ。CNNは討論会中にCM枠を設けたが、現時点で今回は不明。

6月27日のCNN主催討論会は視聴者数5,100万人を超えたものの、バイデン大統領の精細を欠いたパフォーマンスを契機に民主党内は混乱。続くトランプ銃撃事件、そしてバイデン撤退へと事態は大きく動き、それまで沈滞していた米国民の大統領選挙への期待と注目が一気に高まることになった。今回のABC主催討論会はハリス×トランプの初対決でもあり、前回以上の視聴者数になると米メディアは予測している。

討論会の開催にも紆余曲折あった。民主党候補がハリス副大統領に決まると、まずトランプ氏がABC主催の討論会をキャンセル。代わりに保守派ケーブル局FOXニュースで開催することを提示すると、FOXも9月17日に同局主催で開催することを提案していた。ハリス陣営はこれを「トランプ氏は対ハリスでの討論に尻込みしている」と批判。ABCが必死でトランプ陣営を説得した結果、今回の両者合意に至ったとみられている。

副大統領候補者討論会も10月1日開催へ

民主党の副大統領候補に決まった中西部ミネソタ州のティム・ウォルズ知事と共和党の副大統領候補 J・D・バンス上院議員(オハイオ州)が10月1日、ニューヨーク市で開かれるCBS主催の討論会への参加に合意している。司会はCBSのアンカー、ノラ・オドーネルとマーガレット・ブレナン。

CNNも9月18日開催で両陣営に副大統領討論会を提案していると伝えられ、バンス上院議員は合意しているが、ウォルズ州知事は8月15日現在、返答していない。大統領選ではこれまで副大統領討論会は通常1回のみ。実現すれば初の2回の実施となる。

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