米大統領選討論会、CNNとABCが中継 バイデン、トランプの両氏が合意

編集広報部
米大統領選討論会、CNNとABCが中継 バイデン、トランプの両氏が合意

今年11月の米国大統領選に向けて、民主党のジョー・バイデン現大統領と共和党のドナルド・トランプ前大統領の2人が2回のテレビ討論会に参加することが5月15日、電撃的に決まった。1回目は6月27日21時(米東部時間)でCNNが中継、2回目は9月10日(時間未定)でABCが中継する。ABCは他の放送局や配信サービスにも映像を提供するが、CNNは独占中継すると発表している。1988年から候補者討論会を運営してきた非営利・超党派の大統領候補討論会委員会(CPD/Commission on Presidential Debates)の下では主要放送局すべてで全米に同時放送されていたが、個別報道機関の主催に場を移すことになった。

今回は討論会の開催そのものが危ぶまれており、4月14日には4大テレビネットワークを中心に米国の主な報道機関12社がバイデンとトランプの両陣営にテレビ中継による討論会への参加を求めていた。急転直下で開催が決まった5月15日は両候補者が参加に合意して1時間半後に開催日と中継局まで決まるという異例の展開となった。

しかも、今回はCPDを完全に無視して決められたという。CPDがあらかじめ決めていた9月16日、10月1日と同9日の日程も白紙に。詳細は明らかにされていないが、バイデン陣営がCPDの運営する討論会への参加に反対していたと伝えられている。その結果、新たな討論会はバイデン、トランプの両陣営と中継するCNN、ABCの間で決められたという。1回目の中継をCNNが申し出たのをバイデン側が了解し、それをトランプ陣営が即刻受け入れた。直後に、今度はトランプ陣営がABCからの討論会要請を了承し、バイデン陣営がそれを受けたというのが大まかな経緯だが、この間に放送局間でどのような駆け引きがあったのかなどは不明だ。

6月に1回目が開催されるのも異例なこと。有権者に早く決断材料を与えたいバイデン陣営が、参加条件の一つとして提示したものだという。このほか同陣営からは、テレビ局のスタジオで候補者2人と司会者のみで行い、無所属のロバート・ケネディ・ジュニア氏も観客も一切スタジオに入れないことが提示された。与えられた発言時間が経過した時点でマイクをオフにすることも含めて、これらの条件にトランプ氏が合意しているかどうかは不明だ。なお、この数日後にはトランプ氏が3回目の討論会をFOXの中継で行うと発表したが、これはバイデン陣営が即刻「やらない」と一蹴している。

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