5人目が空席だった米連邦通信委員会(FCC)の委員に、5月にバイデン大統領が指名していたアナ・ゴメス氏 が決まった。米連邦上院議会が9月7日、賛成55票・反対43票で承認した。任期は2021年7月1日にさかのぼって5年間。
定員5人のうち、最後の1人は2年半にわたって空席になっていた。この間、民主党側委員と共和党側委員が2人ずつだったため、山積する重要案件の審議が停滞していた 。ゴメス氏が承認されたことで民主党側3人、共和党側2人となり、バイデン政権下で初めて5人のフルメンバーがそろう。
ゴメス氏の就任で、ネット中立性規則の復活といった大改革に向けての話し合いも前進すると消費者擁護団体らは期待をかけている。ネット中立性規則とは、インターネット上のトラフィックを平等に扱わせるため、インターネットサービスプロバイダーに対して特定のコンテンツの閲覧を禁止したり、通信速度をコントロールすることを禁ずるもの。オバマ政権下のFCCで制定され、トランプ政権下で破棄された後、バイデン政権下で復活が期待されていた。
全米放送事業者連盟(NAB)のカーティス・ルジェット会長は声明を発表。テレビのアナログからデジタルへの移行におけるゴメス氏の尽力への賛辞とともに、「次世代テレビ規格の普及期にある今こそ、ゴメス氏の経験が活かされるれる」と期待を寄せている。