第38回ATP賞テレビグランプリ受賞式

編集広報部
第38回ATP賞テレビグランプリ受賞式

一般社団法人全日本テレビ番組製作社連盟(ATP)が主催する「第38回ATP賞テレビグランプリ」受賞式が7月12日、都内で開催された。

当日発表されたグランプリは、ドキュメンタリー部門で最優秀賞を獲得した『ETV特集「"玉砕"の島を生きて~テニアン島 日本人移民の記録~」』(製作会社:グループ現代、NHKエンタープライズ/放送:NHK Eテレ)が選ばれた(=写真㊤)。20年以上にわたりテニアン島で壮絶な体験した人々を取材し、証言をもとに極限の戦場を描いた。ディレクターを務めた太田直子氏(グループ現代)は「このような番組を作っているのは、二度と戦争を起こさない、悲惨な歴史に学んで今に生かしたいという思いからだ」と語った。

情報・バラエティ部門の最優秀賞は、『ヤギと大悟』(製作会社:シオン/放送:テレビ東京)が獲得した。ヤギが主役で千鳥の大悟さんと台本なし行き当たりばったりで散歩する旅番組。企画演出を務めた冨田大介氏(シオン)は企画のきっかけについて、小学生の息子が学校の"ヤギ当番"になり「小学生から歓声を浴びるヤギにアイドル性を感じたこと」と語った。また、企画書を見た大悟さんに第一声で「なんやこの番組は、だれが考えたんや」と言われたことを明かし、「制作する人間にとっては最高の誉め言葉だと感じた」と喜びを語った。

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<冨田大介氏>

ドラマ部門の最優秀賞は『金曜ドラマ 最愛』(製作会社:TBSスパークル/放送:TBSテレビ)が獲得した。完全オリジナルのサスペンスラブストーリーで、演出を務めた塚本あゆ子氏(TBSスパークル)は、YouTubeなどでドラマの展開を考察する人々の存在について触れ、「熱狂を一緒に作り出してくれた。テレビの枠を越えて番組を届けられる時代になった」と語った。

IMG_5288.JPG <塚本あゆ子氏>

また、同ドラマで刑事・宮崎大輝を演じた俳優の松下洸平さんも登壇。「シリアスな場面も多かったが、現場は笑顔で撮影していた。みんなが楽しんでいることが、いい作品を作るうえで不可欠だと感じた」とチームワークの良さを語った。

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<松下洸平さん>

最優秀新人賞にはフジテレビの『ザ・ノンフィクション 山奥ニートの結婚』で優秀新人賞を獲得した竹内みなみ氏(TBSスパークル)が選ばれた。「出産、子育てという人生の激動の時間をすべて撮影させてくださったご夫婦とシェアハウスのみなさんのおかげだと思っている。この喜びを共有するため、離乳食を持って和歌山を訪れたい」と喜びを語った。

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<竹内みなみ氏>

「ATP賞」は製作会社の社会的機能を高め、制作スタッフ一人ひとりの情熱や気概に応えるために、創り手である製作会社のプロデューサーやディレクターが自ら審査委員となって優れた作品を選ぶ日本で唯一の賞として1984年に創設。ドラマ部門、ドキュメンタリー部門、情報・バラエティ部門の3つのジャンルで作品を募集し、毎年100本を超える応募作品の中から、グランプリ、最優秀賞、優秀賞などが選ばれる。

優秀賞や奨励賞など受賞一覧の詳細はATP賞ウェブサイトにて。

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