「調査報道大賞2025」授賞作品を発表 TBSテレビとNHKが大賞に選出

編集広報部
「調査報道大賞2025」授賞作品を発表 TBSテレビとNHKが大賞に選出

NPO法人「報道実務家フォーラム」および「スローニュース株式会社」は9月3日、すぐれた調査報道を顕彰する「調査報道大賞2025」の授賞作品を発表した。

大賞には、▼TBSテレビ『報道特集』の「兵庫県における公益通報や知事選、誹謗中傷等をめぐる調査報道」、▼NHK『NHKスペシャル「冤罪の深層~警視庁公安部・内部音声の衝撃」』の2つが選ばれた。

TBSテレビ『報道特集』は、公益通報者への兵庫県知事の対応を起点に、知事選や拡がる誹謗中傷など、約1年にわたり兵庫県をめぐる一連の報道に取り組んだ。授賞理由を「困難が予想されるテーマを避けず、圧力に屈せず、取材を続けたことを高く評価する。デマがデマであることを明確にし、この時代に起きたことを記録した価値も大きい。」とした。このほか、民放からは琉球朝日放送の『QAB報道特別番組「誰のために島を守る〜自衛隊配備 その先に〜 」』が映像部門優秀賞に選ばれた。授賞式は10月7日に開催される。

授賞作品は次のとおり。

<大賞>
・NHKスペシャル「冤罪の深層~警視庁公安部・内部音声の衝撃」(NHK)
・『兵庫県における公益通報や知事選、誹謗中傷等をめぐる調査報道 (TBSテレビ『報道特集』)』
<優秀賞>
全国紙・NHK部門 
・連載ルポ「追跡 公安捜査」など、警察庁長官狙撃事件と大川原化工機事件を巡る一連の報道(毎日新聞)
地方紙・専門紙部門 
・企業版ふるさと納税の「寄付金還流」疑惑に関する一連の報道(河北新報)
・長野県石油商業組合「ガソリン価格カルテル疑惑」を巡る一連のスクープ(信濃毎日新聞)
映像部門 
・QAB報道特別番組「誰のために島を守る〜自衛隊配備 その先に〜 」(琉球朝日放送)
<奨励賞>
全国紙・NHK部門 
・教員性犯罪公判 横浜市教委による傍聴阻止を明らかにした一連の報道(共同通信・東京新聞)
地方紙・専門紙部門
・ホームレスは、どこへ行った―岐阜の現場から―(岐阜新聞)
独立メディア・雑誌・フリーランス部門
・屋久島町政をめぐる一連の調査報道/町長交際費問題、補助金不正請求事件など(屋久島ポスト)

調査報道大賞は、すぐれた調査報道を顕彰し、その社会的意義を広めるとともに、現場で取り組む取材者を励ますために2021年に設立された。授賞作は、期間中に応募・他薦された100件の作品の中から、報道実務家フォーラムに2017年以後参加した報道実務家による投票と、選考委員会による厳正な審査を経て選出された。

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