衛星放送史上初! 無料放送と有料放送のハイブリッド運営への挑戦  ジャパネットブロードキャスティングの取り組み

佐藤 崇充
衛星放送史上初! 無料放送と有料放送のハイブリッド運営への挑戦  ジャパネットブロードキャスティングの取り組み

世の中に埋もれている良いコンテンツを見つけて・磨いて・伝える

ジャパネットブロードキャスティングはジャパネットグループで放送事業を担っています。「世の中に埋もれている良いモノや考え方、スポーツやエンターテインメント等のコンテンツ、地域の魅力を広めていくこと」をミッションに掲げ、社会に貢献していく放送局を目指し、20223月に「BSJapanext」を開局いたしました。

通信販売の「ジャパネットたかた」のグループ会社ということもあり、24時間通販を放送していると勘違いされることもあるのですが、実は通販番組は全体の3割程度で残りは旅・ゴルフ・映画などさまざまなジャンルの番組を放送しています。社員120人のうち半数ほどが番組制作に携わり、ディレクターが多く自社制作番組比率が高いのも特徴の一つです。

認知の壁

開局から2年あまり、ゴルフの『PGAツアー』や『パネルクイズ アタック25 Next』など比較的認知率の高いコンテンツの放送、毎日よる9時にゴルフ番組を放送する『9じゴル』、麻雀プロリーグのMリーグ中継への参入など尖った編成にチャレンジしてまいりましたが、BSJapanext263ch)はEPG(電子番組表)を開いて選択することでしか視聴できず、テレビでザッピングいただける環境にはないため、自分たちが良いと思う番組を作っても多くの方にお届けできないというジレンマを抱えていました。

視聴環境を広げることができないか模索しているなか、今回ご縁があり株式会社スター・チャンネルを友好的にM&Aし、BS10ボタン(リモコン番号)を承継いたしました。BSJapanextをより多くの方に届けたい、ジャパネットグループの強みを活かしスターチャンネルを磨き、伝え広げていきたいという思いから、チャンネルポジションの変更を決断いたしました。

前例のない取り組みでしたが関係各所のお力添えをいただき無事に実現することができました。

BS10の編成特徴-コンテンツの魅力を伝えリアルにこだわる-

2025年110日にチャンネル名もあらたに「BS10(ビーエステン)」としてリニューアルしました。「BS10」の編成三本柱はBSJapanext時代から大切にしている①地域の魅力を届けること、②スポーツの感動・リアルを届けることに加え、③スターチャンネルとのシナジーを生み出し映画の魅力を届けることです。

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私自身は入社以来、テレビ・ラジオショッピングの制作やMC、そしてバイヤーの業務に携わり、その中でジャパネットグループの事業方針でもある世の中に埋もれた素晴らしいモノを「見つけて・磨いて・伝える」ことの大切さと素晴らしさを直に感じてきました。BS10でも編成の三本柱にこだわり、まだ世の中に知られていない魅力的なモノ・コト・サービス・考え方・エンターテインメントを日本中に広めていきたいと考えております。

BS10が目指す姿

最後にBS10が今後目指す姿についてお話させていただければと思います。

リニューアルまでを振り返ると正直楽しみよりも不安な気持ちが大きかったです。理論上チャンネルポジションの変更が可能なことは理解していましたが、前例のない取り組みだからこそ本当に移動できるのか、不具合は起きないのか不安を感じていました。1月10日深夜0時頃に番組が終了し、早朝5時頃に実際に新しいEPGデータが取り込まれ始めたことを確認し安堵したことを覚えています。

また、数字面では視聴率がつく番組も増え、SNSの声やお取引先さまとの会話などを通しても今まで以上に多くの方にBS10をご覧いただいていることを感じています。しかし、まだまだ想定している視聴率やスターチャンネルとのシナジー・コンテンツの充実には届いていません。

先ほどBS10の編成の柱として「リアルを届けること」と述べましたが、私たちの祖業でもある通信販売のジャパネットたかたでは年間2,000回以上生放送を行っており、とにかくリアルにこだわっています。私も新卒で入社後配属されたのがテレビショッピングの現場であり、MCが自分のリアルな言葉で話すこと、生放送の臨場感の大切さを肌で感じていました。

だからこそBS10でもスポーツの熱い戦い・演者さまのやりたいことを自由に取り組んでいただく番組など、よりリアルにこだわりたいと思っています。BS10だからこその編成・コンテンツを通して、これまで以上に視聴者の皆さまに愛され必要とされる放送局を目指してまいります。

そして世の中の皆さまに「BS放送って充実しているんだな」「何か面白いことやっているんだな」と感じていただき、BS放送そしてテレビ業界全体が盛り上がるように微力ながら尽力してまいる所存です。 

最後になりますが、今回のチャンネルポジションの変更に際し、BS放送・テレビ業界を盛り上げたいという思いにご賛同いただき本当に多くの皆さまにご協力・ご尽力いただきました。この場をお借りしてあらためてお礼申しあげます。

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