【やきそばかおるのおすすめラジオ】活気ある生ワイドでおしゃべりを楽しむ~2025年春のローカルラジオ新番組から 

やきそばかおる
【やきそばかおるのおすすめラジオ】活気ある生ワイドでおしゃべりを楽しむ~2025年春のローカルラジオ新番組から 

各地のラジオ局で春の新番組が始まって1カ月半。ここ数年で新たに生まれ、定着してきた生ワイド番組もあれば、縮小や撤退でネット番組に切り替わったところもある。こうしたなか、活きのいい番組も多数始まった。今回はそんな生ワイド番組に注目し、ピックアップして紹介する(以下敬称は略させていただいた)。

人柄とテンポに好感

📻STVラジオ
『ラジオノマド』(金、13:00〜16:45)

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「STVラジオらしくない」がサブテーマ。パーソナリティは、札幌市出身のお笑いコンビ「しろっぷ」のじゅんぺいと、今春まで同局のラジオカー「ランラン号」のキャスタードライバーだった今朝丸仁美(けさまる・ひとみ)。じゅんぺいはSTVラジオでこれまでにも数々の番組に出演してきた人気もの。ちなみに、「ノマド」とは遊牧民や放浪者の意味だ。現代では特定の場所を持たずに働く人を「ノマドワーカー」、旅をしながら仕事をする人は「デジタルノマド」と呼ばれるように、旅先でもプライベートでも、あらゆる環境で聴くことができるのがラジオ。それこそが「ラジオノマド」。どこにいても金曜午後は聴きたくなる番組として始まった。
ふたりの楽しいおしゃべりと、ゆったりとした洋楽を中心とした選曲のメリハリが効いている。洋楽をかける時も2曲連続で流す構成は同局の午後ワイドではめずらしい。リポーター時代はじっくりと話すことが少なかった今朝丸の面白さがジワジワと出てきており、そこをじゅんぺいとリスナーが面白がっている点にも注目。ちなみに、今朝丸一家はとても真面目なご家庭で、「学生時代は彼氏ができると親族会議が開かれていた」そうだ。

📻AIR-G'(エフエム北海道)
『北川久仁子 ふふふ』(金、9:00〜13:55)
札幌市出身のパーソナリティ・北川久仁子が、週末の入り口にもうひと頑張りしているリスナーの背中を明るい声で後押しする。知ると心がふわっと軽くなるような子育てのヒントを教わる「コドモノキモチホントノキモチ」、おいしいスイーツを提供しているお店の方にその秘密をうかがう「キタガワおやつLabo.」、道内のコミュニティFMのパーソナリティに各地の話を聞くコーナーなどもあり、情報と音楽のバランスがいい。リスナーの昼ごはんの写真をSNSでアップする企画もあり、北川がうらやましそうに紹介する様子も。
 
📻FM NACK5
『INNOCENT SALON』(日、8:00〜12:00)

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パーソナリティはピン芸人として活躍する河邑ミク。2018年の「R-1ぐらんぷり」(現「R-1グランプリ」)で大会史上最年少の23歳でファイナリストとなった。落ち着きのある声がラジオに合う。特に仕事のエピソードが面白く、思わず前のめりで聴いてしまう。
9時台の「ちょいモテのHow to」ではモテ作戦・モテ奥義を募集するとともに、「モテようとしたけど失敗した」といった話も紹介する。例えば、モテテクには「職場で物を渡す時は両手で渡す」「好きな人に『好きな人、いる?』と聞かれたら『本人の前で言えるわけがないよ』と言う」などの"あるある"な話が続く。

📻MROラジオ(北陸放送)
『ノコトラジオ』(火〜木、13:00〜16:00)
『ノコトラジオ Friday』(金、13:00〜16:00)
火~木のメインパーソナリティは北陸地区の各局で活躍する越村えり。地域の話題のコーナーのほか、番組があらかじめ決めた番号を当てる「Carry Over The 運」の時間も盛り上がる。リスナーが3桁の数字を予想してメールで送る企画で、パーソナリティが選んだ数字とピッタリ合えば当たり。当てるのは至難の業だが、全く当たらないかというと、当選者が出る日もある。木曜の「太陽と積乱雲」のコーナーはリスナーの相談に明るい性格(太陽)の越村とやや後ろ向き(積乱雲)な木曜パーソナリティのハナシテノモリが個性的なアドバイスを送る。金曜は『ノコトラジオ Friday』としてベテランの松村玲郎と若手の近藤千優の両アナウンサーがコンビで放送。近藤アナは初回の放送で「茶店」を「ちゃてん」と読み、松村アナが「『ちゃみせ』と読んでほしいな」と優しく訂正していた。
毎月最終木曜のコーナー「つながる、のと」ではリポーターの西尾知亜紀が能登半島に足を運び、昨年の地震と豪雨で被害に遭った「能登のリアル」を伝える。4月の放送では輪島朝市で知られた輪島市河井町を訪れ、全国災害支援プロジェクト、輪島復興支援団体、輪島市の居酒屋、幼稚園の園長に話をうかがった。「今、伝えたいこと」をしっかりと電波に乗せていて好感が持てる。

📻ZIP-FM
『7COLORS』(土、16:00〜19:00)
ナビゲーターのレディーナナは、昨年行われたZIP-FMのナビゲーターオーディションでグランプリを受賞。日本人とイタリア系ブラジル人を両親に持つ。あいさつ程度なら7カ国語以上を話せるそうだ。まだ始まったばかりなので「次回はもっとかまないようにします!」と反省することもあるが、洋楽の曲紹介はとてもなめらかだ。実は史上最年少でファイナンシャル・プランナーの資格を取得したそうで、名古屋市中区「オレンジリボンキャプテン」として、オレンジリボン運動(児童虐待防止運動)の啓発にも力を入れている。

局アナの個性的な話芸

📻KBS京都ラジオ(京都放送)
『となりの森谷さん』(月〜木、10:00〜14:00)

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森谷威夫(もりたに・たけお)アナウンサーをメインに、日替わりパートナーで井戸端会議を繰り広げる。月曜はお笑いコンビ「アルミカン」、火曜はドラァグクイーンのイルローザ、水曜はヴァイオリニストの松尾依里佳、木曜はピン芸人の真輝志。オープニングからミニコントのようなやりとりでスタート。ある日はポエムのようなひとり語り。またある日は森谷アナとパートナーのかけ合いから始まる。森谷アナはが各曜日のパートナーの面白いところにスポットを当てることに長けている。
水曜は京都府内各地の私立中学校・高校のランチタイムにラジオカーが出向き、学校の魅力を生徒や先生にうかがう「おしゃべりランチタイム!」のコーナーも。ある回では日本初のインターネット通信制高校、京都美山高等学校を紹介。在宅で学べる学校の魅力を伝えた。

📻KBCラジオ(九州朝日放送)
『ポジモン!』 (金、6:30〜12:00)
KBCのポジティブ男、松岡修造を師と仰ぐ長岡大雅アナウンサーの金曜のワイド番組。1秒の隙もないほど、前向きに、ときに熱苦しくポジティブなパワーを送り続ける。"ポジメンテーター"と呼ばれるパートナーも週替わりで登場。
注目のひとつが、10時すぎのゲストコーナー「雑談無双」だ。4月11日の放送では同局の『PAO〜N』のパーソナリティ沢田幸二が出演。今年2月に同番組のイベントを福岡市内で開き2,300人を集客。今春、同局を退職した沢田(専属タレントとして番組出演は継続中)から「理想のしゃべりは、しゃべったことを文字に起こした時に(余計な部分がなく)そのまま文章になること」「山頂は見えない。だからこそ登り甲斐がある」といった金言が飛び出した。
長岡アナはKBCテレビの報道番組『シリタカ!』を6年以上担当したほか、ラジオの音楽番組『ドォーモ×ラジオ』、テレビ番組『高校生のじかん』(ラジオは『裏・高校生のじかん』として放送)も担当するなど、幅広いジャンルに精通しており、彼ならではのコーナー展開に期待。

現役総務局長がレギュラーで

さらに、このほかのジャンルの注目の番組のなかから紹介する。

📻TOKAI RADIO(東海ラジオ放送)
『Radi Pal-ラジパル-』(水、26:00〜27:00)
中高生をメインターゲットにした番組。タレントのにしざわひろと同局のスタッフ・山本としずみが、学校や家ともSNSともちがう"もうひとつの居場所"をラジオに作り出そうという試みだ。隔週で名古屋・栄のサテライトスタジオ「ドリームカプセル」で公開収録も行っている。注目は中高生が気になる人を迎えるゲストコーナー。この番組ならではのラインアップだ。ある回のゲストはラッパーのedhiii boi。2021年にラッパーのSKY-HIに送ったデモ曲をきっかけに、14歳にしてアーティスト契約をした期待の新星で、3月まで現役高校生だった彼の話を聞いたほか、他の回にも注目のアイドルやクリエーターが登場している。

📻RNCラジオ(西日本放送)
『南原清隆、いまナンしょん。』(月、18:15〜18:35)

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高松市出身の南原清隆(ナンチャン)が、同じく高松市出身の放送作家でミステリー作家でもある小西マサテルとおしゃべり。ふたりは高校(高松第一高等学校)の先輩・後輩の仲で、古典芸能部に所属していたところまで一緒だ。地元の思い出話から、最近のテレビ出演に関する裏話、はたまた写真の撮り方のテクニック、上京後に住んでいた街の話まで、引き出しの多さに脱帽。讃岐の方言を楽しく学ぶ企画もある。

📻FM FUKUOKA(エフエム福岡)
『カンナと愛智のどうにかこうにか』(土、12:30〜12:55)
福岡の人気ラジオDJの坂口カンナ、同局アナウンサーの愛智望美の30代前半の仲良しコンビによるトーク番組。「"中堅"の定義は何歳ぐらいからか」「気が利きすぎる人の大変さについて」など、話したいことを気兼ねなく話すところが痛快。収録は公園や同局の建物の屋上など、あえてスタジオ以外で行うというこだわりだ。屋上で「推し」の定義について熱弁している最中にカラスの鳴き声が聞こえてきたこともあり、そのギャップも楽しい。

📻ラジオ沖縄
『ウルトラ・ソウム』(木、23:00〜23:30)
現役総務局長が「総務」という仕事をテーマに語るめずらしい番組。パーソナリティは2020年に同局のアナウンサー業務を終え、現在は同局の総務局長として社を支える宮田隆太郎。「株主総会の会場を押さえるのが大変」「初めての監査対応の仕事は緊張した」と総務の仕事をしている人が聞くと「そうそう!」と言いたくなる話が満載。
宮田は低音のいい声で有名だ。リスナーから「いい声をしている」と言われ「そうだよね。参っちゃうよね(笑)」と返すキャラクターだ。一方、「自分はいい性格ではない」「担当した番組は短命に終わる」と自虐的なところもあり、ミステリアスな点にも注目だ。

新番組は定着し広まるまでに時間がかかる。リスナーの力も借りて、今回紹介した番組が長寿番組になることを願うばかりだ。

          

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