ジャーナリスト保護委員会(CPJ、本部ニューヨーク市)は2021年12月9日、同年に報道・取材活動を理由に逮捕・投獄された世界のジャーナリスト数が調査史上最多の293人(12月1日時点)に上ったと発表。20 年は280人だった。さらに、21年は最低でも24人のジャーナリストが報道・取材中に死亡、またはその報道内容のために殺害されている。それ以外にも、状況不明の死亡者が18人に上る。
CPJによると、ジャーナリストの逮捕・投獄件数は毎年増加しており、6年連続で年間250人を超えている。ここ2年間は特に、コロナ禍という特殊な状況が独裁国家の支配者にさらなる権力を与え、独断的な"フェイクニュース規制法"の下でのジャーナリストへの不当な権力行使が増えている。国によって情勢は異なるが、「独裁政治国家での取材活動の危険度が増していることを示すデータだ」と、CPJは指摘する。ジャーナリスト投獄数は、中国が50人と3年連続で最も多い。この中には、20年の民主化運動後に厳しい国家安全維持法が適用された香港のジャーナリストも含まれている。2位はミャンマーで、21年2月の国軍によるクーデター後、少なくとも26人が投獄された。以下、エジプト(25人)、ベトナム(23人)、ベラルーシ(19人)、トルコ(18人)、エリトリア(16人)、サウジアラビアとロシア(いずれも14人)、イラン(9人)と続く。
CPJはさらに、「この293人には、年間を通して不当に逮捕され釈放されたジャーナリストの数は含まれていない」とし、数字に現れないジャーナリストへの弾圧が存在することを強調した。