総務省「災害検討チーム」ヒアリング 民放連は放送ネットワークの維持・更新支援や整備支援事業の拡充を要望

編集広報部
総務省「災害検討チーム」ヒアリング 民放連は放送ネットワークの維持・更新支援や整備支援事業の拡充を要望

総務省の「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」の下部組織「広域大規模災害を想定した放送サービスの維持・確保方策の充実・強化検討チーム」(主査=三友仁志・早稲田大学大学院教授)は、324日に第3回会合を開催。民放連と熊本県益城町、石川県、高知県、日本ケーブルテレビ連盟(JCTA)の5者にヒアリングを行った。

民放連は堀木卓也・専務理事と報道委員会の下部組織「災害放送専門部会」の伊佐治健・部会長(日本テレビ放送網取締役執行役員報道局長)が出席。はじめに堀木専務理事が、「民放事業者は、大規模災害の発災時に住民の生命を守り、安心・安全を確保するための被災情報や生活支援情報を継続して届ける責務を、しっかり果たしてきた自負がある。報道機関として、災害時には収入がゼロになっても報道を続け、国民のライフラインとしての役割を果たしている」と民放事業者の基本姿勢を述べた。そのうえで、①民放事業者の大規模災害への取り組み、②民放ラジオの取り組み、③災害対策の持続可能性を高めるために――の3点を説明した。

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①は、2024年の能登半島地震での民放各社の災害報道を例示したほか、民放局同士や他メディア、自治体等との連携などについて説明。②は、2020〜2021年度に実施したNHK・民放連共同ラジオキャンペーン「ラジオの証言」の内容に触れ、「ラジオは災害時にライブで信頼できる情報を届けられる」と強調し、ラジオ関連の要望事項としては▼(radiko受信のため)通信の人口カバー率、道路カバー率のさらなる向上、▼スマートフォンや自動車へのラジオ放送の受信機能やラジオ聴取アプリの標準搭載――をあげた。③は、大規模災害への備えも経営の選択肢を拡大する基本方針のもとで検討することが不可欠として、▼放送ネットワークの維持・更新への行政の後押し、▼放送ネットワーク整備支援事業のさらなる拡充――を要望した。

続いて、伊佐治部会長は元日に発生した昨年の能登半島地震では、地元局はごく少数の記者・デスクでする対応する中、日本テレビ系列(NNN)ではネットワークとして、プッシュ型で各局が応援に入ったことや現場には被災者に寄り添う姿勢を求めたことなどを説明。また、NNNのヘリコプターの空撮で発災時の輪島市の状況を全国に伝えたことに触れ、自衛隊や行政機関とは「撮影し、伝える目的が大きく異なる」と報道活動の意義を強調した。また、今回初めてデジタル出稿(インターネットでの情報発信)の応援部隊も派遣し、地元発のコンテンツをデジタルでも発信したことも紹介。そのうえで、災害報道について「利益を度外視してでも最大限の情報提供をするべく日々準備している」と述べた。

このほか同会合では、熊本県益城町が2016年の熊本地震での被害状況、情報伝達手段について、石川県が、能登半島地震と奥能登豪雨の被害と対応、高知県が、南海トラフ地震に備えた取り組み、JCTAが、能登半島地震の状況とケーブルテレビ業界としての対応についてそれぞれプレゼンした。また、総務省から臨時災害放送局を開設する際に使用する周波数の事前検討の状況について報告があった。

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