総務省「広域大規模災害を想定した放送サービスの維持・確保方策の充実・強化検討チーム」(主査=三友仁志・早稲田大学大学院教授)は、2月5日に初会合を開催した。同検討チームは、「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」(放送制度検)の下部組織として設置されたもの。南海トラフ地震など広域大規模災害の発生の懸念から、災害発生時でも必要な地域情報を被災者に届けられるよう、放送を継続するための方策や措置を検討する。
構成員には、有識者7人に加えて、高知、熊本、石川の自治体と民放連、NHK、衛星放送協会、日本ケーブルテレビ連盟の放送関係団体が参加する。月に1~2回の頻度で会合を開催し、有識者や自治体、放送事業者などのヒアリングを実施したうえで、6~7月頃に取りまとめを行うスケジュールを想定している。
会合では総務省から検討事項として、▼広域大規模災害を想定した放送を維持するための方策、▼ローカル局の放送が停波した場合の代替手段の確保、▼被災者の視聴環境の確保――が提示されたほか、2024年の能登半島地震および奥能登豪雨における放送事業者等の被災・対応状況や放送制度検の災害時の放送に関する検討状況、放送設備の安全・信頼性基準および業務管理体制に係る基準などについて説明があった。
また、石川テレビ放送技術局長の崎川洋司氏が「能登半島地震、奥能登豪雨による石川県の民放中継局の被害と対応」のプレゼンを行った。中継局の被害状況や停電を受けた発電機への給油対応について写真を交えて説明したほか、リエゾン(災害発生時に被災自治体の災害対策本部に出向き、サービス復旧などのために自治体や他の企業などとの連絡や調整を行う災害対策現地情報連絡員)派遣などについて考えを述べた。2024年の放送法改正により制度化された業務管理体制の整備に対しては、「大規模な災害では、臨時に委託先を変更・追加することが想定されるため、被災した事業者であれば、業務委託に関する手続きを簡素化や不要とすることが望ましい」と要望した。