総務省は7月5日、令和6年版「情報通信白書」(情報通信に関する現状報告)を発表した。
第1部は2つの特集で構成。「令和6年能登半島地震における情報通信の状況」では、1月1日に発生した能登半島地震による通信・放送インフラの被害状況や復旧の取り組み、放送などメディアの果たした役割、顕在化した課題や求められる対応をまとめた。放送網への被害は、地上テレビ、ラジオ放送でともに停電や放送設備の破損の影響により停波が発生。商用電源が回復した1月24日にすべての局の停波が解消した。放送事業者は、発災直後から被災者に正確な情報を届ける役割を果たした一方で停波の課題も顕在化したと指摘。中継局の共同利用・設備の共通化や、放送ネットワークの強靱化等に取り組む必要があるとした。SNSを中心に顕在化したインターネット上での偽・誤情報の流通・拡散に対しては、国際的な動向を踏まえつつ、制度面を含む総合的な対策を推進していくとしている。
2つめの特集「進化するデジタルテクノロジーとの共生」は、AIなどが社会・経済にもたらす新たな可能性と機密情報の流出や偽・誤情報の流通の加速などのリスクに触れ、健全な活用に向けた取り組みをまとめた。
第2部は、ICT市場の動向などの基本データや、電波・放送政策、サイバーセキュリティ対策などICT政策の最新動向を掲載している。