米上院が承認 ローゼンウォーセル氏 FCCの委員長に就任

編集部

米連邦議会上院は12月7日、ジェシカ・ローゼンウォーセル氏(民主)の連邦通信委員会(FCC)委員長就任を68対31の賛成多数で承認した。同氏は、既に委員長代理として実質的な業務を行っており、10月26日にバイデン米大統領が正式に委員長に指名する意向を表明していた。今回の上院承認により、FCC創設以来87年で初の女性委員長誕生となった。同氏は自身のツイッターで「初の女性委員長を務めることは生涯で最も光栄なこと。現代の通信をあらゆる人と場所に届けるためにやるべきことがある」と述べている。

同氏は進歩主義者として知られる。11月、上院での承認公聴会では、人種的少数派によるメディア企業の所有を奨励・促進するMEDIAダイバーシティ法案や、地方メディアが記者を採用する際に税金控除を認めるローカルジャーナリズム・サステナビリティ法案を支持することを明らかにした。

FCCは本来5人の委員で構成されるが、現在の委員は民主・共和各2人の計4人のみ。このため、今注目されているのは残り一つの空席だ。バイデン大統領が指名したギジ・ソーン氏(民主)の承認投票が12月15日に上院で行われる予定だったが、年明けまで延期されることが決まっている。ネックになっているのは、ソーン氏がLocastの理事であったこと。Locastは、地上波テレビの無断配信で違法判決を受け、運営を停止したばかりだ 。

ソーン氏も進歩主義者で知られ、承認されれば民主党が過半数を占め、通信・放送政策の推進で主導権を握ることになる。そのため保守派メディアは牽制しているが、一方で小規模保守派メディアのNewsmaxとOANは、意外にもソーン氏とローゼンウォーセル氏を支持しており、年明けの承認投票が待たれるところだ。

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