米連邦通信委員会(FCC)が3月16日(現地時間)、米国内の全テレビ市場において、視覚障害者向けオーディオ解説放送機能の導入を2035年までに義務化することを提案した。オーディオ解説は、番組中セリフがない場面で、視覚障害者でも何が起こっているかが分かるように、「主人公が窓に向かって歩いている」「穴を掘って何かを埋めている」など、その場面をナレーションにより説明する機能。FCCのジェシカ・ローゼンウォーセル委員長は、連邦上院の当該委員会の顧問(当時)としてオーディオ解説の導入に関する法律「21世紀における通信および映像アクセシビリティ法2010年版」の制定に携わっている。当初、義務化の対象はニールセンの"トップ60市場"の大手テレビ局だけだった。2020年、FCCは4年間で毎年10市場ずつ対象を追加することを決め、24年には全部で100市場にオーディオ解説導入を義務づける運びとなっている。ただ、小規模市場の場合、導入コストが経済的負担になる場合は免除されている。
FCCが今回提案したのは、24年以降も毎年10市場の追加を継続し、最終的には全米全210市場を義務化の対象にするということ。このペースで追加を続ければ、35年には全市場をカバーするという計算だ。FCCはこれについて意見聴取を行った後、投票で提案の可否を決定する。