「地方の時代」映像祭 NHKがグランプリ受賞

編集広報部
「地方の時代」映像祭 NHKがグランプリ受賞

第43回「地方の時代」映像祭(主催=民放連、NHK、関西大などで組織する実行委員会)が11月18―24日まで大阪・吹田市の関西大で開かれている。

コンクールの贈賞式が18日行われ、9月に発表された入選作品の中からグランプリや優秀賞などを発表。2023年4月の統一地方選で市議会議員に立候補した女性が政党や団体の支援なしで選挙に挑む姿を描いたNHKの『立つ女たち~女性議員15%の国で~』がグランプリを受賞した。

贈賞式で細田直樹プロデューサーは「選挙の結果を伝える報道も大事だが、あくまでも選挙はスタート地点。その先にどのような地方自治があるのか、そこに至るまでにどのような人の想いがあるのかを伝え、日本の民主主義の発展に役立つ作品を作り続けたい」と語った。

和田省一審査委員長は「(作品名に"女性議員15%"とあるように)ジェンダーギャップ指数ランキングで日本は125位とされている。こうした難しいテーマが、軽快なタッチで見やすく表現されている。今の時代をどう見るか、身の回りを観察してテーマを決め、切り口を考え、ドキュメンタリーにまとめるという、日々の努力が花開いた」と講評した。

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<NHK・細田プロデューサー>

放送局部門の優秀賞には、ロシアによるウクライナ侵攻によって突然、日常を奪われ、家族とも引き裂かれたウクライナ人やロシア人の現状を伝える『国民と国家 ある日 戦争が始まったら―』(中京テレビ)、新型コロナウイルス感染症ワクチンの副反応による健康被害を取材した『評価不能 新型コロナワクチンの光と影』(CBCテレビ)、特殊詐欺の被害者と加害者を取材し、事件の"その後"を描いた『ドキュメント新潟 震える手~少年の転落 被害女性の孤独~』(テレビ新潟)が選ばれた。

12月2日には、東京・丸の内の関西大学東京センターでグランプリ受賞作品の制作者らを招いた上映会を開催する。

コンクールには放送局、ケーブルテレビ、市民・学生・自治体、高校生(中学生)の4部門に285(うち放送局部門は139)作品の応募があった。

放送局部門の入賞作品は次のとおり。
【優秀賞】
▽中京テレビ放送=国民と国家 ある日 戦争が始まったら―
▽NHK=立つ女たち~女性議員15%の国で~(※グランプリ受賞)
▽CBCテレビ=評価不能 新型コロナワクチンの光と影
▽テレビ新潟放送網=ドキュメント新潟 震える手 ~少年の転落 被害女性の孤独~

【選奨】
▽NHK大阪放送局、NHKエンタープライズ近畿=こころの時代~宗教・人生~「オモニの島 わたしの故郷~映画監督・ヤンヨンヒ~」
▽北日本放送=救いの手~統一教会と富山政界~
▽朝日放送テレビ=第6波の結末~コロナ禍の障害者事業所~
▽南海放送=豊穣の海~ゴミ浜とゴミバカ

東京上映会やその他の部門の入賞作品については、映像祭のウェブサイトにて。

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