民放連 PF事業者に違法アップロードコンテンツへの対処を要望 総務省「デジタル広告ワーキンググループ」

編集広報部
民放連 PF事業者に違法アップロードコンテンツへの対処を要望 総務省「デジタル広告ワーキンググループ」

総務省の「デジタル空間における情報流通の諸課題への対処に関する検討会」の下部組織「デジタル広告ワーキンググループ」(主査:曽我部真裕・京都大学大学院法学研究科教授)は1月22日に第5回会合を開催。民放連と日本インタラクティブ広告協会(JIAA)、日本新聞協会にヒアリングを行った。

民放連は本橋春紀・常務理事事務局長が出席し、民間放送から見たデジタル空間の広告に関する課題を指摘した。はじめに、民放連が同日公表した「違法アップロードコンテンツと広告に関する実態調査」の結果から、▼日本アドバタイザーズ協会会員である「大手広告主」267社の約2割の広告がYouTubeの違法アップロードコンテンツに表示されたこと、▼悪質な違法アップロードサイトにも「大手広告主」の広告が表示されたこと――など、違法にアップロードされた民放のコンテンツに、「大手広告主」の広告が付与されている実態を説明。「調査は限られた期間と範囲で氷山の一角と考える」としたうえで、「広告主が支払った広告費が、違法行為を行う者とプラットフォーム(PF)事業者に流れ込んでいる。違法アップロードが野放しになると、国民の知る権利に応える報道が困難になりかねない」と訴えた。

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また、インターネット上の違法・有害情報に対処するために、大規模PF事業者に対して措置を義務づけた情報流通プラットフォーム対処法への期待として、PF事業者が権利侵害の申し出を受けた際には、真摯かつ7日を待たない迅速な対応を望むことや、対応事例が相次いだ場合には不服申し立て措置を設けることも検討するべきだと求めた。あわせてPF事業者に対して、▼明らかな権利侵害については、自ら削除すること、▼違法・悪質動画の検出や指摘に、民放は大変な労力とコストがかかり、多大な負担を負わされることから、より効果的、効率的に削除できる環境整備に加えて、収益を上げている側がコストを負担するべきだ――などを要望した。

構成員からは、「違法アップロードする主体の資金源を断つことが重要」といった指摘や、欧州を中心にメディアの透明性や信頼性を国際基準で証明する取り組みJTI(Journalism Trust Initiative)について「複合的な点として考慮されてもよい」との意見があった。

なお同会合で、JIAAは「インターネット広告ビジネスにおける質の確保に関する取り組み」、日本新聞協会は「新聞社の広告審査およびデジタル広告掲載を巡る取り組みと課題」をそれぞれプレゼンした。

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