新潟放送、NST新潟総合テレビ、テレビ新潟放送網、新潟テレビ21の4局は11月13―30日にかけて、水田地域密着炊飯ドラマ『炊飯道』(全4話)をリレー放送している。羽釜による炊飯を追求する若者を描いた作品。一食一食を大切に食べる意識の大切さを伝えて人々の共感を呼び、「日本の食の諸問題の解決」の第一歩となるための試みとして、㈱SPOONが企画、㈱マエサクが制作を手がけた。
原案は社会課題の解決のための企画立案や映像制作などを手がける㈱SPOONの谷田光晴・代表取締役が担当。兵庫県の丹波篠山で米作りをしている家庭で育ち、農業の後継者不足やフードロスなどの「日本の食の諸問題」に着目していたという。解決には消費者が生産者への感謝の気持ちが生まれる仕組みが必要と考える中で、当初は土鍋でおいしい米の炊き方を追求するYouTube企画を検討。しかし、広く人々に届けられ、地域を巻き込み、大河ドラマのように放送後も地域に根付く持続性を期待し、テレビドラマとすることとした。構想から約3カ月後に始まった撮影は、南魚沼市でエキストラを含めた100人ほどの出演者と約30名の制作スタッフで行った。
<『炊飯道―南魚沼編―』ディザー映像>
ローカル局が一緒に力を合わせて、従来にはない関わり方をすれば発信力が上がると考え、4局にドラマの放送を提案。新潟放送が幹事をとして放送枠を調整し、リレー放送に至った。その地域でしか見られないというローカル局の特性を生かすため、あえて再放送やネット配信は予定していない。視聴者からは「よく知っている場所が出てきてうれしい」「新潟県民はぜひ見てほしい」などの声が寄せられているほか、配信や県外での放送を望む声もメールで400件以上寄せられているという。
「ローカル局の地域性は、ネットにはないもの。深い情報発信ができるのはローカル局こその特性であり、そこに社会問題を解決する力がある」と谷田氏は語る。
本ドラマの放送日程は以下のとおり。
▷第1話(放送済み) 11月13日(日)25・25―25・50(新潟放送)
▷第2話(放送済み) 11月16日(水)25・55―26・20(新潟テレビ21)
▷第3話 11月26日(土)25・35―26・00(テレビ新潟放送網)
▷第4話 11月30日(水)25・30―25・55(NST新潟総合テレビ)