「令和6年奥能登豪雨」 石川各局の対応 急遽番組を編成/ウェブでも情報を発信

編集広報部
「令和6年奥能登豪雨」 石川各局の対応 急遽番組を編成/ウェブでも情報を発信

9月20日から23日にかけて、能登半島地震の被災地である石川県の能登地方が記録的な大雨(「令和6年奥能登豪雨」)に見舞われた。21日から22日には輪島市、珠洲市、能登町に大雨特別警報が石川県内で初めて発令された。この豪雨による災害について政府は10月25日の閣議で「激甚災害」に指定した。民放onlineは各局の対応についてアンケートを実施。回答いただいた4社の内容をもとに各局の番組や報道の対応を紹介する。


石川各局はニュースや特番を急遽編成して大雨情報を放送。気象庁が21日10時50分に大雨特別警報を発表する前の10時前後から各局はL字画面で情報を伝えた。L字は大半の局が翌22日まで継続して送出、最長で17時30分まで行った。また、放送だけでなくウェブサイトやYouTubeなどを利用し、配信でも情報発信した。

北陸放送(MRO)は、9月21日12時半ごろから番組にローカルニュースを割り込み、大雨情報を約8分にわたり放送した。またJNN28局のニュースサイト「TBS NEWS DIG」のMROのページで随時、大雨情報の配信を行った。ラジオは、21日は線状降水帯の発生を受けて、非番のアナウンサーが出社し、通常体制プラス3人、22日は同プラス2人体制で対応。MROの報道部が取材した内容や自治体などから寄せられた情報を随時レギュラー番組や割込み対応で伝えた。

報道特別番組を編成したのは石川テレビ放送。『石川テレビ報道特番 能登に大雨特別警報』を21日17時から17時半まで放送し、YouTube公式チャンネルでも同時配信した。また、同局のウェブサイトではテレビのL字画面と同じ情報の掲載や、石川県の防災ホームページ(石川県防災ポータル)へのリンクを行った。

テレビ金沢は、21日については通常の定時ニュース枠で対応。23日は祝日のため休止を予定していた『となりのテレ金ちゃん』を急遽放送し、奥能登の状況や今後の行動のポイントを伝えた。3連休でニュース枠が限られていたことから、ウェブでのニュースや動画配信にも注力した。

北陸朝日放送は、21日の14時32分から44分頃までローカルマスターカットを実施して大雨に関する情報を伝えた。また11時半ごろから18時前と22日の9時から15時前まで、YouTube公式チャンネルで国土交通省の河川情報カメラの映像にテレビのL字画面を載せてライブ配信を行った。

報道面では、各局ともに在京キー局や系列局からデスクや取材クルーが応援に入ったほか、ヘリコプターによる空撮も行われた。発災日が土曜日だったため、自社の報道の人員が手薄だったと複数局が述べた。そのほか、「輪島、珠洲に設置しているカメラや、県が設置している河川カメラのリアルな映像が、危険な状況を把握するうえで重要な情報となった」「地震に続く複合災害で、被災者の心の問題がこれまで以上に発生する可能性が高く、慎重な取材を続けている」といった声も寄せられた。

中継局は、民放テレビ4社の共建による3局(輪島町野局、舳倉(へぐら)局、輪島局)で停電の影響があった。このうち輪島町野局、舳倉局は、非常用バッテリー枯渇により22日に停波。輪島町野局は26日、舳倉局は10月20日に停電が解消し本復旧した。また、輪島局は土砂崩れで局舎に近づけず、発電機の燃料は自衛隊のヘリで運搬され、停波には至らなかった。MROラジオは、21日夜に特例措置で8月から運用を休止していた輪島AM局の運用を再開し、11月10日までAM放送を行った。AM局がカバーエリアを包含する輪島FM局は非常用バッテリー枯渇により9月22日に停波し、23日に仮設FM送信所を設置、10月20日に停電が解消し本復旧した。

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