株式会社トレードメディアジャパン(TMJ)は、2018年7月、MRT宮崎放送のグループ会社として「地域と共に成長し、地域の経済に貢献する」を企業スピリットとして掲げスタート。昨年10月には三井住友トラスト・インベストメントが運営管理するファンドからの出資を受け、資金・人材の経営基盤強化を図り、新たなフェーズに突入しています。
弊社の事業の柱は2つ。地場産品の貿易に関わる商社事業と、番組・映像制作やSNS配信などのプロモーション事業です。商社事業では、現在、宮崎牛や水産冷凍食材、調味料(特に焼肉・鍋用)などを中心に台湾の卸業者、小売店、飲食チェーン店などへ積極的な商談を行い、現地の販売パートナーとも連携しながら販路開拓・拡大を進めて徐々に成果を上げています。また、台湾だけでなく、香港、シンガポール、カナダへの牛肉・豚肉の輸出にも取り組んでいます。さらに、19年に販売業務提携を締結した台湾のテレビ・EC通販最大手、東森グループとは、「日本の食品シリーズ」として、常温商品(加工品)を中心に定期販売を続けています。
<台湾でのテレビ通販>
プロモーション事業では、昨年度から総務省や農水省をはじめ宮崎県内の自治体から台湾向け海外発信コンテンツ事業や台湾販路開拓事業の業務を受託しています。プロモーション事業は番組・映像を制作し、台湾で放送・配信するだけではありません。番組で紹介した地場産品の商流をいかに実現させるか......そして継続させること......それが使命であり目的です。台湾現地ではテレビ・EC通販はもちろん、メディア・バイヤーを招へいした試食商談会や販売会、SNS配信などツールを駆使し、実践を重ねることで商流が実現できます。事業に一貫性をもたせ、商流を実現するために最も重要な鍵は、現地に商材(モノ)があり、現地で戦略的に商談できる環境があることです。まさに、自治体、サプライヤー、弊社の3者連携が、これを可能にします。これにより商流を実現できるスピード、確率が格段に上がり、継続的な商談やプロモーションにもつながっています。
<メディアを招へいした試食会>
トレードメディアジャパンは、ようやく3年かけて台湾現地での販売や人材確保、プロモーション等に必要な政財界とのネットワーク環境を構築できるまでになりました。戦略的かつ継続的な商談を実施することで、行政・自治体連携事業でも成果を上げてきました。
台湾は1月末現在、新型コロナウイルスの感染拡大を最小限に抑え、市場・経済も動いています。コロナ禍の不安はあるものの、日本の食に対して、安全・安心の評価・関心はさらに高まっています。このような状況下だからこそ、モノを動かし、コロナ収束後のインバウンドにつなげていくための戦略と現地でのアプローチが重要になっていると感じています。
今年、自治体と連携して放送局ならではの新たなインバウンド事業もスタートさせました。日本に旅行に行けない台湾の人々に、少しでも日本の雰囲気を味わっていただこうと、参加者に事前に宮崎地場産品を届けたうえで、番組・商品映像を2次活用しながら、台湾・宮崎の両ナビゲーターが観光・グルメ・産品などを紹介するオンラインツアーを実施しています。今後は台湾現地の映像制作班とも連携し、双方を紹介するオンラインツアーやスポーツ観光交流を促進するためのインターネット中継も実施する予定です。
宮崎県内では台湾の4つの縣(県)・市と姉妹都市や経済交流都市の協定が締結されています。残念ながらコロナの影響で交流は停滞していますが、今は何もできない、動けない......ではなく、今できることを今後につなぎ、発展させることが大事です。維持・継続させるだけでなく、スポーツ、観光、経済における交流事業の新設や双方の地場産品を活用したタイアップ商品などを開発していくことも必要です。姉妹都市の意義をカタチにし、さらに交流を深め、発展させる――。これも弊社の使命であり、来年度は、すべての姉妹都市において、スポーツ少年団(次世代へつなぐ子供たち)のオンラインスポーツ交流事業や地場産品の試食商談会、商品開発などを実施することになっています。
<姉妹都市の新竹懸長表敬>
当社の最大の使命は、すべての事業において成果をあげることです。実現できなければ従来の放送局業務を超えられず、結果を出せなければ、指名もなく、必要とされません。だからこそ、「自治体、サプライヤーと同じ目線で夢を描き、夢を語り、実現する」という強い覚悟と決意が必要だと感じています。
トレードメディアジャパンは24年3月までの事業計画と事業戦略を達成するため、来年度から台湾企業と連携した自社ブランドの商品開発や新たな販売・事業にともなう自社運営スタイルの構築を開始します。さらなる販売ネットワークやパートナーシップも確立し、お客様と共に実績を創る強い会社を目指します。コロナ感染拡大で厳しい苦境に立たされる今こそ、ビジョンを掲げ、系列の枠組みを超え、使命をカタチにすべき時だと思います。