FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2023 「ラジオ局ならではの強み」「学生によるブース運営」について聞いてみた

編集広報部
FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2023 「ラジオ局ならではの強み」「学生によるブース運営」について聞いてみた

FM802によるロックフェスティバル「FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2023」が2023年12月27―29日、インテックス大阪で開かれた。2009年から毎年年末に開催している"ロック大忘年会"で、今回は3日間で約6万人が来場。4つの音楽ステージを設け、3日間で約100組のアーティストが出演した。

中でも27日には、奥田民生(UNICORN)とはっとり(マカロニえんぴつ)による共演が見られた(=冒頭写真)。FM802とJR西日本によるコラボ企画「MUSIC TRAVELERS」のキャンペーンソング「旅をゆけ」を共同制作したことをきっかけに実現した。芸名の由来がUNICORNのアルバム『服部』であったり、ヘアスタイルも1990年代の奥田に影響を受けているというはっとり。そんな憧れの存在とのセッションでは「旅をゆけ」のほか、互いの楽曲を歌い上げて会場を盛り上げた。

また、YouTubeの音楽チャンネル「OPEN MIC」とのコラボステージ「OPEN MIC SPECIAL STAGE in FM802 RADIO CRAZY 2023」ではアーティスト同士のセッションが行われた。28日には番組『ROCK KIDS 802 -OCHIKEN Goes ON!!-』発のスペシャルバンド「ROCK KIDS 802 EXTRA CRAZY BAND」でさまざまなバンドからメンバーを編成し、その演奏に合わせてゲストボーカルが歌う姿も。ここでしか見られないセッションを楽しめるのはRADIO CRAZYならではの試みだ。

ほかにも、ステージの外に"こたつ"が設置された「こたつサテライトスタジオ」や神社の境内を模した「音波神社 境内ステージ」でアーティストによる番組の公開収録やアコースティックライブを実施。シンガーソングライターのmiletは「こたつサテライトスタジオ」でFM802の開局35周年特別番組『YOUR RADIO 802』の公開収録に挑み、その模様は1月12日に放送した。

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<こたつサテライトスタジオの模様(milet㊧、塩塚モエカ(羊文学))>

年末の風物詩に

声出し禁止やマスク必須などの制限もなく開催できるのは2019年以来で、「コロナ前の活気が帰ってきた」と語るのは今江元紀プロデューサー。コロナ禍を経て来場者のライブの楽しみ方が少し変わったと話す。「アーティストとの偶然の出会いが少なくなり、"推し"を積極的に見ることが多くなった。音楽フェスでも、自分の興味のあるアーティストだけを聴きに行くという楽しみ方をする人が増えたように感じる」

"FM802"が主催する"RADIO CRAZY"ならではの強みを問うと「開催発表から本番に至るまで、アーティストの意気込みや思いをラジオで展開し、開催までのストーリーをリスナーと共有できる」と今江氏。また、ライブステージ以外にも公開収録やアコースティック演奏などを実施できるのは、普段からアーティストとの信頼関係を築いているからこそだという。

RADIO CRAZYの来場者は体感的に半分がリスナーで、もう半分が非リスナーだという今江氏。リスナーには「ラジオで流した曲を、ライブでも体感してもらいたい」、非リスナーには「FM802の番組に触れてもらいたい」と語る。今後については「より音楽を楽しみやすい環境づくりをこころがけていく。あらためて、関西のお客さんの年末の風物詩になれるように頑張りたい」と意気込んだ。

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<東京スカパラダイスオーケストラとTAKUMA(10-FEET)のコラボ>

802 wannabes

「音波神社 境内ステージ」のあるホールには、ほかにもさまざまなゲームを楽しめる縁日ブース「寄って亭」や、おみくじや御朱印、書き納めができる「音波神社」があり、賑わいを見せていた。これらの運営を担っているのは関西の大学生・専門学校生とのこと。「802 wannabes(エイト・オー・ツー・ワナビーズ)」は関西の学生で構成された公式サポーター。FM802の番組や「RADIO CRAZY」や「MINAMI WHEEL」などのイベントでスタッフとして活動している。「RADIO CRAZY」では縁日ブースの企画運営のほか、ごみの分別作業などを行っている。このほか、オフィシャルブログ「WANNA LAB.」でアーティストへのインタビュー記事の作成や、ポッドキャスト番組『FM802学生研究部』の配信など、活動は多岐にわたる。

フリースローチャレンジ「ねらってクレイジー」やストラックアウトの「当ててクレイジー」など4つのゲームを設けた。今回の縁日ブースは縁日ブースを担当した清原里帆さんは、一番のやりがいは「お客さんが楽しんでいるところを見られること」という。「ゲームで盛り上がってくれている時、景品を可愛いと喜んでくれた時、お客さんと何気ない会話ができた時......、私たちも楽しい瞬間がたくさんあります」。一方、整列や呼び込み、案内などを限られた人数で行うため大変な面もあるようだ。「今回の経験や反省を次回に活かし、お客さんにより快適に、より楽しんでもらえる運営ができるよう精一杯頑張ります」とコメントした。

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<縁日ブース「寄って亭」の模様>

ワナビーズは2008年に発足し、最初はFM802のイベントや番組の感想を書いてもらうという活動内容から始まり、現在ではイベントの手伝いや、メンバー考案の企画にも取り組んでいる。発足当時の担当者の林田淳一氏(現在は営業部所属)は「スタート当初にはここまで発展すると思っていなかったのでびっくりしている」とコメント。卒業後は、同局の番組スタッフや、レコード会社、マネジメント、広告会社、メディアなど、今でも仕事を通じてつながっている人も多いという。また、イベントに来場者として参加し、現役生に差し入れする卒業生もおり、広報の横山佳奈氏は「FM802のイベントが卒業生たちにとって"同窓会"のようになっている様子を見てうれしく思う」と話す。

ワナビーズのメンバー数人に話を聞いた。

FM802を聴き始めたのはコロナ禍で家にいる時間が多くなった高校の頃だという松田はづきさん。高校卒業後の進路を相談するメッセージを送った時、親身になってくれたDJや番組の雰囲気に感動して「私もラジオに関わってみたい」と思ったという。灘実咲希さんに活動の楽しさを聞くと「ほかではできない貴重な経験ができるのでワクワクします。ほかのワナビーズの仲間と、好きなアーティストの話をしたり、FM802のヘビロテの話をしたり、知らない音楽を教えてもらったり......、そんな時間が楽しいです」と答えた。また、活動を通じた変化として、辻貴広さんは「社員さんやDJさんと関わることで、さまざまなラジオ番組に興味を持つようになりました」。

また、ポッドキャスト番組『FM802学生研究部』の取り組みについてもうかがった。新居美琴さんは「自分でマイクの前で話してみると、ラジオのすごさをあらためて体感しました。話し方やトークの間、BGMなど、勉強になることばかりです。楽しいポッドキャストをお届けできるよう、試行錯誤しながら頑張っていきたいです」。また、黒田康介さんには2023年12月に実施したJ-WAVEの学生コミュニティ「J-WAVE WACODES」とのコラボ企画について尋ねると、「普段の生活では関わることができない関東の学生と、ラジオ局の学生サポーターという同じ立場で出会い、1つの番組を制作することができ、感動や達成感もひとしおでした」と手応えを感じていた。

ライブ音源特番『FM802 RADIO CRAZY RADIO de LIVE CRAZY』は2月12日(月・祝)18・00―27・00に放送予定。また、U-NEXTではRADIO CRAZYの一部を独占配信。1月28日(日)12・00からライブ配信し、2月4日(日)まで見逃し配信を行う。

(取材・構成=「民放online」担当・梅本樹)

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