テレビ埼玉「第32回埼玉政財界人チャリティ歌謡祭」に行ってみた 進む「日本埼玉化計画」

編集広報部
テレビ埼玉「第32回埼玉政財界人チャリティ歌謡祭」に行ってみた 進む「日本埼玉化計画」

テレビ埼玉は『埼玉政財界人チャリティ歌謡祭』を2024年1月1日(月)19時から21時30分に放送する(放送は1月7日に変更)。埼玉の県知事や市町村長、企業の社長らが歌声を披露する番組で、今回で32回目。2023年12月2日にさいたま市・大宮ソニックシティ大ホールで行われた公開収録の模様を取材した。

埼玉のリーダーたちが"ド派手"な衣装や演出で歌う、一風変わった様からSNSでは「埼玉の奇祭」と呼ばれている。一目見てみたいと(怖いもの見たさ)で会場に行ってみると、自分でも驚いたが感動を覚えてしまった。なぜ感動したのか......、振り返って考えてみた。※冒頭写真=©テレ玉 

だてに32回も続いていない!

そもそもどんな歌謡祭なのか......、今回は16人の政財界人が参加。1人ずつステージで1曲歌い、関係者や社員、市民、マスコットキャラクターらもダンサーやコーラスとして参加する(中には1人で歌い上げる出演者も)。カラオケよりは音楽ライブに近く、目と耳で楽しむことができる。

では、プロではない人たちの歌を何時間も聴いていられるのか......、これに関しては、①大人たちの本気、②アットホームな客席、③プロの業――により、見ごたえのあるステージが見られた。このため、感動したのではないかと考えている。

① 大人たちの本気
大人たちが時間をかけて準備してきたことが感じられた。

収容人数2,500人の大ホールがほぼ満席の中、緊張に負けずに1曲を歌い切る出演者の「準備」を感じた。聞くところによると「ボイストレーニングに通った」「家や車の中で練習した」という人もいたそうだ。また、歌唱力が高い出演者も。特に、蓮田市の山口京子市長による『恋のバカンス』(ザ・ピーナッツ)はプロと遜色ない歌声だった。

衣装は、レベルの高いもの、創意工夫が見られる独特なものなど、さまざま。桶川市の小野克典市長による美空ひばりをイメージした衣装や、さいたま市の結婚式場「清水園」の清水志摩子社長の色鮮やかなドレスには目を奪われた。

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<小野市長㊧、清水社長 ©テレ玉>

埼玉りそな銀行の福岡聡社長は、映画『STAND BY ME ドラえもん2』の主題歌である『虹』(菅田将暉)を歌うことから、青いジャケットに、首元には鈴を付けてドラえもんをイメージした衣装に。ガス事業などを手がけるサイサンの川本武彦社長は大好きな矢沢永吉になりきって『止まらないHa~Ha』を歌唱。白いスタンドマイクも持参したものだという。

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<福岡社長㊧、川本社長 ©テレ玉>

見ごたえのあるダンスも多く、埼玉県議会の立石泰広議長はジャズの名曲『L-O-V-E』(ナット・キング・コール)を歌唱し、バックダンサーたちは「愛」を歌う同曲の世界観を表現。さいたま市の清水勇人市長は手話を交えて『希望(ゆめ)のまち』(さいたま市の歌)を歌った。どのステージも練習量の多さが十分発揮されていて完成度は高かった。

②アットホームな客席
歌に合わせ、ペンライトやうちわで応援する客席もこの歌謡祭ならでは。客席には関係者(従業員や職員など)や地元の住民が多く、とてもアットホームな雰囲気が漂う。また、関係者の家族が観覧に来ていることもあり、ママやパパが頑張る姿を応援する子どもの声も聞こえた。応援する人たちの姿も、出演者にパワーを届けている。

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<ペンライトやうちわで応援する観客>

③プロの業
全ステージの演奏を務めるのは、国内外で活躍する岡宏&クリアトーンズ・オーケストラ。彼らもまた準備を欠かさない。事前に出演者から自分が歌った音源を送ってもらい、それをもとに譜面に書き起こす。当日のリハーサルでも半音下げる・上げるといった調整を行うため、出演者に寄り添った素晴らしい演奏が聴ける。

照明や音響、カメラなどもプロによるものだ。こちらも事前の音源をもとに綿密な準備を行う。歌や演出のイメージにあったものが見られる。

咲きほこれ埼玉

終盤には、芸人のはなわさんが映画『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』(2023年11月23日公開)の主題歌「ニュー咲きほこれ埼玉」を披露し、会場を盛り上げた。2019年に公開された前作は興行収入37億超の大ヒット。続く今作も"埼玉ディス"に加え、関西ディス全開の内容で17億円(公開4週目時点)の大ヒットを記録している。同映画に出てくる「埼玉ポーズ」が歌謡祭の中でも見られ、大野元裕・埼玉県知事も歌の最後を埼玉ポーズで締めた。出演者・観客とも『翔んで埼玉』をとても愛していることが伝わってきた。

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<はなわさん㊧、大野知事 ©テレ玉>

歌謡祭もまた、地元民から愛されている。プロデューサーを務めるテレビ埼玉の田中秀一・営業局長に愛される理由を聞いてみると「県内のリーダーたちが人前で歌っている姿を通じ、普段見られない人となりを知れる。出演者たちの『強烈な個性』と『努力』が視聴者の心に響くのでは」とし、「視聴者をびっくりさせていると思うが、それこそテレビの醍醐味だと思う」と話す。

また、「奇祭」と呼ばれていることについては「歌謡祭が"唯一無二"で"存在感がある"から、そう呼ばれているのでは。何にせよ、注目される番組に成長できてうれしく思う」と語った。

日本埼玉化計画

そして、今回は初めて公式YouTubeで歌謡祭の模様を配信する。1月7日の再放送終了後を予定(再放送は1月21日に変更)。県内だけでなく、全国、世界で視聴が可能に。これも"日本埼玉化計画"が進んでいるということなのか......。田中プロデューサーは放送に向けて「『翔んで埼玉』の公開もあり、埼玉が注目されている中、埼玉県人のみなぎるパワーを県内外の視聴者に楽しんでもらいたい」と期待する。

(取材・構成=「民放online」編集担当・梅本樹)

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