朝日放送グループホールディングスは1月6日、阪神・淡路大震災の取材映像をマッピングしたウェブサイト「激震の記録1995 取材映像アーカイブ」の国際版を公開した。地名やキャプション、インタビュー内容など全てを英訳。同サイト上の「English」からアクセスする。
2020年1月に開設した「激震の記録」はこの間、学校の出前授業などで防災の意義を伝えてきた。時には"被災地に群がるマスゴミ"との批判的な見方に対し、リアリティーのある映像を通じて災害を記録するメディアの役割も訴えた。
20年12月、担当者が神戸市にある国連防災機関(UNDRR)に「激震の記録」事業を説明した際、防災情報への世界的なニーズを知った。国内で英語の防災情報を必要とする人も念頭に、1年かけて国際版を整備。英訳を担当したスタッフは、辛い状況下で取材した記者や、その取材に応じた被災者に思いをはせながら作業にあたったという。今後、世界の防災アクションを紹介するUNDRRのサイトへの掲載を目指す。
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また、同社は1月14日、「阪神淡路大震災 激震の記録」と題した8本の動画を、アジアの優れたドキュメンタリーを配信するサイト「アジアンドキュメンタリーズ」の特集ページに掲載した。
95年8月に朝日放送が放送した報道特番「激震の記録」を再編集。当初からナレーションやコメントフォローの字幕はなく、被災地の過酷な状況をありのままに捉えている。併せて、肖像権に起因する自主規制の問題などに触れた「解説動画」も載せた。
ドキュメンタリーへの関心が高い層へのリーチに加え、当時の経験がない人の体系的な理解を助けることも狙った。3月31日まで無料で配信している。