米ニールセンは9月21日、全米ローカルテレビの広告取引データを来年1月に視聴率からインプレッションベースに移行すると発表した。コードカット世帯のブロードバンドによるテレビ視聴データを組み込むタイミングでの開始となる。
この動きは、ニールセンがコロナ禍の視聴データを過小評価したとして全米のテレビ業界から激しく批判を受け、視聴計測監査機関MRC(Media Rating Council)から認定を停止された一連の流れを受けたもの(「民間放送」5月12日号参照)。ニールセンがクロスメディア視聴データシステム「Nielsen ONE」を運用するための準備とも言われている。ローカル市場でもテレビ視聴がテレビ画面からCTVやモバイルなどにシフトする中で、こうした変化に対応するためにもインプレッションベースの取引は必要不可欠だ。ViacomCBSは、広告取引のカレンシーとしてニールセンと競合するVideoAmpのデータを追加。今年初めにはComScoreのデータも加えており、今後さらに増やす可能性もあると報じられている。
そのComScoreはこの秋、視聴データとして、世帯数ではなく、ある動画コンテンツを、その世帯内で何人が見ているかを推定する方式を導入する。これは、ComScoreが持つセットトップボックスのデータに全米の世帯を対象とした調査からのインプットを掛け合わせて、その世帯で、どのコンテンツが複数の人によって同時視聴されているのか、また、どのコンテンツが1人で見られているのかを推定するもの。同社のローカルテレビ市場、OTT、クロスプラットフォームの視聴測定で採用される。