ドラマ『すいか』ファンが放送20周年イベントを開催

編集広報部

2003年に放送されたドラマ『すいか』(日本テレビ系)のファンによるイベントが7月22日、早稲田大学小野記念講堂で開かれた。

ドラマすいか20周年イベント実行委員会と早稲田大学文化構想学部表象・メディア論系の共催による「アカデミックに『すいか』を語る」と題した講演会は、テレビドラマ論や現代演劇論が専門で、自身も『すいか』のファンだという岡室美奈子・早稲田大教授がすいか模様のTシャツを着て登壇した。
1970年代前半の『ありがとう』(TBS系)に代表されるホームドラマ全盛期からバブル期のトレンディドラマなど、日本のドラマ史を概説。そのうえで、地下鉄サリン事件や阪神・淡路大震災(いずれも1995年)など不穏な非日常を経験した日本が「日常の大切さ」を求める中で『すいか』が登場したことや、ホームドラマの発展形として"疑似家族的コミュニティ"を描いており、細やかな会話劇などは往年のホームドラマの伝統を受け継ぐスタイルであることなど、『すいか』の魅力を研究者の視点で分析した。

会場風景.JPG

200席の会場は、ドラマをリアルタイムでは見ていない若い人の姿も多く、ほぼ満席の盛況ぶり。昨年、NHKの情報番組『あさイチ』で「すいかファンサイト」の活動を紹介したNHKの関係者や、このイベントのために沖縄から来たという熱烈なファンもおり、放送から20年を経過したとは思えない熱気に満ちあふれていた。

講堂のロビーには、ドラマの舞台となった下宿「ハピネス三茶」のファン手作りの模型なども展示。イベント実行委員会の主宰者でファンサイトを運営する國中咲枝さんは、「『すいか』という、つらい時にそっと寄り添ってくれる素敵なドラマを後世に残すべく、これからも活動したい」という。

20年前に1クールだけ放送されたドラマが、このように語り継がれ、多くの人たちを結びつけ続けていることに驚くとともに、テレビの持つ力をあらためて感じた。

「ハピネス三茶」模型.JPG

20周年イベントは9月23日までの予定。詳しくは「ドラマすいかファンサイト」をご覧いただきたい。

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