【新放送人に向けて2023⑥ 新矢圴・北日本放送取締役】放送局の営業は面白い!

新矢 圴
【新放送人に向けて2023⑥ 新矢圴・北日本放送取締役】放送局の営業は面白い!

放送業界にようこそ。
この春、新しく仲間入りされる新入社員の皆さんに「放送局の営業は面白い!」をテーマに、その業務内容や仕事の魅力などをご紹介させていただきます。私は皆さんがこの世に生を受けるずっと前の1994年に北日本放送に入社、おもにラジオ・テレビの渉外営業と営業企画を中心に営業畑を歩んで30年目を迎えました。このようなオジサンが書いている内容なので「昭和の匂い」を感じることが多々あるかと思いますが、あらかじめご了承ください。

また、このようにあえて「放送局の営業は面白い」をテーマにするということは、本当は面白くないんじゃないの? と思われるかもしれませんね。いえいえ、そんなことはありません。今後、社会が成熟しAIやIoTなどの技術が生活に入り込み、必要な時に必要なモノやサービスを受けることができる超スマート社会に変遷していく過程における放送局の営業はこれまで以上に面白くなると私は大いに期待をしています。

ChatGPTさんに聞いてみた

さてここからは、放送局の営業の業務内容について少し触れたいと思います。
放送局の営業とは?? 実は業務の範囲が多岐にわたり、かつ複雑なので簡単に書けない......。良い方法を見つけました。今話題のChatGPTさんに聞いてみよう!

新矢:
日本の放送局の営業部の業務内容とは?

ChatGPTさん:
放送局の営業部の主な業務内容は、広告やスポンサーシップなどの収益を確保することです。具体的には、以下のような業務が挙げられます。
① 広告営業
テレビやラジオ番組などの広告スペースを販売し、収益を得るための営業活動を行います。広告枠の販売に加えて、広告の企画提案や制作に関するアドバイスも行います。
② スポンサーシップ営業
番組やイベントのスポンサーを募集し、収益を得るための営業活動を行います。スポンサーには、企業や団体が含まれます。スポンサーになることで、その番組やイベントに関連する広告宣伝などを行うことができます。
③ 放送番組の販売
番組制作会社や他の放送局に、自社制作番組の放送権を販売することで収益を得るための営業活動を行います。
④ 総合プロデュース
番組制作から広告営業まで一貫して行うことで、より効果的な収益を得るための営業活動を行います。
⑤ その他の業務
新しいビジネスモデルの開発や、放送局と企業とのコラボレーションの企画など、新しいビジネスチャンスを模索するための業務も行われています。

さすがChatGPTさん、模範解答ですね。
広告枠であるテレビスポットを1本いくら、視聴率1%いくらで広告主に販売し、同エリア内の他系列局と売上高を競い、そしてより多く販売するために必要とされた差別化は「24時間戦える営業マンの属人化」という時代もありました。昼夜を問わず頑張り続け、指名される営業マンになることを目標としていたのです。

「指名される営業マン」を目指そう

しかしながらChatGPTさんの解答にもあるように、昨今の放送局の営業の業務内容は広告枠の販売だけでなく、制作・販売一体の総合広告プロデュースや企画提案といったコンサル的要素が加わり、さらには新しいビジネスモデルの開発など、その領域が以前に比べ拡大しています。またローカル局では「地域連携・地域共創」といったセクションが創設され、地域との連携を強め、地域の課題解決に貢献する新たなビジネスの創出を模索するといった新しい動きも見られます。

こうした一連の動きは、ラジオ・テレビ広告媒体に対する広告主のニーズの変化がもたらしたもので、放送局の営業も「枠を売る営業」から「効果・成果を売る営業」へと意識の変化が見られます。現在の放送局(特にローカル局)の事業モデルは、WEB広告事業とは異なり、広告効果を数値化して明確に表すことが難しいのですが、そうであっても広告主のニーズはどこにあるのか、そして広告主の費用対効果(ROI)にしっかりと向き合って、効果や成果に少しでも貢献していくことが放送局の営業の使命であり、この継続が媒体価値の向上につながるものと信じています。そして頭の柔らかい皆さんは、データドリブンで広告主のニーズに応えていくことにより「指名される営業マン」を目指してください。

上記の番号に照らして、北日本放送で展開している営業企画をご紹介します。

<参考>
KNBラジオCMコンテスト 
① 広告営業(企画提案)

ジョブキッズとやま
② スポンサーシップ営業
※青森県、岩手県、長野県でも実績あり←コンテンツの販売(③に類似)

KNBふるさとスペシャル「柴田理恵のよってかれとやま観光開発事業団」
③ 放送番組の販売 ④ 総合プロデュース

電子回覧板 結ネット(=冒頭の写真) 
⑤ その他の業務(新規ビジネス)

パティシエのしごと1.JPG

<ジョブキッズとやま2022~県内のさまざまな職業をこどもたちが体験

業界の発展は若い皆さんの発想次第

続いては、私が思う放送局の営業の面白さや魅力についていくつかご紹介します。
新入社員の皆さんは、この記事を読んでいただく頃には配属先が決まっているかもしれませんね。報道や制作志望で営業部配属となってもガッカリしないでください。次のような楽しい世界が待っていますので。

▷「業種の垣根がなくいろいろな人たちとの出会いがある」
放送局の営業は基本的に企業間取引(BtoB)、ルート営業+新規開拓ということから、お世話になっている広告会社のみならず、広告を展開する企業すべての皆さま、いろいろな業界の方々と出会うことができます。多種多様な業種の方々との会話や交渉は自分自身をステップアップさせ自信につながっていきます。

▷「日本全国に友人、仲間、先輩、後輩ができる」
東京や大阪には全国の放送局の支社があります。支社で勤務すると、同じ系列だけでなく他系列の先輩や後輩と出会うことができます。特に入社年次が同じ「同期」と言われる仲間とは一生の付き合いとなり、人生の宝物と言えます。また他局の先輩であっても、厳しくも親身に指導いただいたり、先輩となった自分が他局の後輩の面倒を見たりと「不思議な教育システム」が存在します。そんな環境に身を置いてみると、これまでと違った景色が見えるはず。

▷「新規ビジネスを立ち上げるチャンスがある」
放送業界は主軸である放送事業の一本足打法では立ちゆかなくなるとも言われており、新しい収入源の獲得が喫緊の課題。そうしたことからさまざまな企業とのアライアンス、自治体との連携などによる新規ビジネスの立ち上げをスピード感をもって進めようとしています。そうした時、若い皆さんの面白いアイディアや発想が必要となってきます。面白いアイディアを思いついたら、ご自身の会社に提案してみてください。特に経営陣は喜ぶと思います(笑)。
 
このように放送局の営業は人情味に溢れ、厳しくも温かな世界。私はこのような環境に身を置くことができて幸せでした。また冒頭に述べましたが、必要な時に必要なモノやサービスを享受できる超スマート社会が実現した時に、もしかしたらラジオやテレビがさらに大きな存在となって私たちの生活の中心にいるかもしれません。そんな時、営業マンのアイディアと工夫一つで放送業界を発展させることができるはずです。だから放送局の営業は面白いんです。

私は、ラジオ・テレビがもてはやされ広告媒体として最強だった時代にこの世界に入りましたが、皆さんはそうではありません。若者のテレビ離れ、視聴率低下、インターネット広告費がマスコミ4媒体広告費を大きく上回ってしまった時代に業界に飛び込んできてくれた皆さんをリスペクトしています。一緒に頑張りましょう。


【筆者注】念のため、ChatGPTに回答をWEBページでの掲載の可否について質問したところ、特別な機密情報ではないため、掲載しても構わないとの返答をいただいております。


・連続企画「新放送人に向けて」の記事まとめは、こちらから。

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