放送界の動きを中心に、行政や海外の動向もあわせ、1カ月の動きを日誌形式で記録します。
*2023年10月分を掲載。
【民放連】
10.1 (株)ジャパネットブロードキャスティングが民放連に準会員として入会。会員社数は208社に。
10.13 放送基準審議会、全国考査責任者会議をオンラインで開催。1日に施行された景品表示法の「ステルスマーケティング告示・運用基準」をめぐって消費者庁の担当官から説明を聞くとともに、考査事例研究部会から報告を行う。
10.25 総務省の「周波数再編アクションプラン(令和5年度版)案」に意見を提出。①無線LANの6.5GHz帯への周波数拡張、②V2Xの5.9GHz帯への周波数割当――の2件について、慎重かつ丁寧な検討などを求める。
10.28 ラジオ委員会、日本自動車工業会主催の「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」(東京ビッグサイト、~11月5日)に株式会社radikoと共同で「民放ラジオ99局×radiko Touch! Future Radio in Mobility」ブースを初出展。次世代モビリティをイメージした「未来のラジオ」が実現するサービスや機能を体験できる展示を行う。これに先駆け、同16日から民放ラジオ99局は「きかせて!ラジオとモビリティの未来」キャンペーンも展開。専用のウェブサイトでの告知に加え、X(旧Twitter)を通じて在京5局のパーソナリティによるPRスポットを放送し、未来のラジオへのリクエストや夢をめぐる投稿を募った。各局も全国からの生放送やトークイベントなどを開催。
【放送・マスメディア】
10.1 NHK、受信料を1割値下げ。地上料金を含む衛星契約は月額1,950円、地上契約は1,100円に。学生の免除対象も拡大し、親元から離れて暮らす被扶養の学生は免除される。
10.2 名古屋テレビ(メ~テレ)、動画配信サービス「Locipo(ロキポ)」でのインターネット配信を開始。朝の情報番組『ドデスカ!』のコーナー企画などをラインアップする。2020年3月に東海テレビ、中京テレビ、CBCテレビ、テレビ愛知が共同で始めたLocipoに在名5局がそろう。
10.10 NHK経営委員会、2024―2026年度の中期経営計画案を発表。意見募集を開始(~11月9日)。「情報空間の参照点」の提供と「信頼できる多元性確保」への貢献を基軸として、事業規模を段階的に縮小しながら多様なコンテンツで公共的価値を創造するとしている。事業支出を1,000億円削減し、2027年度に収支均衡を目指す。放送ネットワーク効率化に向け「共同利用型モデル」の導入など民放と協調して対応するための経費として600億円を計上する。
10.10 日本テレビ、NNN30局による統合ニュースサイト「日テレNEWS NNN」を開始。系列各局のローカルニュースや災害時のライフライン、グルメ、話題のスポットなど地域に密着したニュースや情報、特集、ドキュメンタリーを掲載する。
10.13 山陰中央テレビの元社員、在職中に同社から約470万円をだまし取ったとして島根県警から詐欺容疑で逮捕される。7月に解雇されていた。同社は謝罪文を自社ウェブサイトに掲載した(同容疑者は11月8日に別の詐欺で再逮捕)。
10.16 カンヌで開催の「MIPCOM2023」(~19日)初日に"MIPCOM BUYERS' AWARD for Japanese Drama"の受賞作品を発表。グランプリに『VIVANT』(TBSテレビ)、奨励賞に『連続ドラマW フェンス』(WOWOW)がそれぞれ選ばれる。
10.17 在京民放テレビキー5社(日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビ)とTVer、関東地区のインターネットに接続されたテレビを対象にTVerリンクの「5局まとめて設定」の運用を開始した。
10.18 日本新聞協会、第76回新聞大会を長野県軽井沢町で開く。式典で「健全な言論空間を守り、民主主義の発展に寄与する」との決議を採択。中村史郎会長がコーディネーターを務める研究座談会や新聞協会の贈呈が行われた。
10.24 「東京ドラマアウォード2023」(主催=国際ドラマフェスティバル in TOKYO実行委員会)の授賞式を開く。連続ドラマ部門のグランプリは日本テレビ『ブラッシュアップライフ』、単発ドラマ部門のグランプリはTBSテレビ『TOKYO MER~走る緊急救命室「隅田川ミッション」』に。主演男優賞は小栗旬さん(NHK『鎌倉殿の13人』)、主演女優賞は川口春奈さん(フジテレビ『silent』)が受賞。『silent』は個人賞を含め6つの賞を獲得。
10― 旧ジャニーズ事務所の創業者による性加害問題で在京民放テレビ5局が10~11月にかけてそれぞれ検証番組を放送(10.4 日本テレビ『news every.』内、10.7 TBSテレビ『報道特集』、10.21 フジテレビ『特別番組「週刊フジテレビ批評 特別版~旧ジャニーズ事務所創業者による性加害問題と"メディアの沈黙"~」』、10.26 テレビ東京『ジャニー喜多川氏の性加害問題~検証報告と今後の対応について~』、11.12 テレビ朝日『特別番組「テレビ朝日 旧ジャニーズ問題検証」』、11.26 TBSテレビ『TBSレビュー「旧ジャニーズ事務所問題に関する特別調査報告」』)。
*NHKは9.11に『クローズアップ現代』で検証番組を放送。TBSは11.26に特別調査報告書を公表。
【行政】
10.1 消費者庁、ステルスマーケティング(ステマ広告)規制を開始。景品表示法の告示に「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」として指定。事業者がインフルエンサーなど第三者に依頼する表示で「広告であると分かりづらいもの」が規制される。テレビCMなど広告であることがわかるものは対象外。
10.11 東海総合通信局が東海テレビと三重テレビに「放送対象地域が重複する放送局の議決権保有比率は10分の1まで」と定めるマスメディア集中排除原則に抵触したなどとして行政指導。いずれも抵触状態は解消している。
10.13 総務省、日本テレビホールディングスに系列5社(テレビ岩手、宮城テレビ、読売テレビ、広島テレビ、テレビ大分)との間で「特定役員の兼任は5分の1まで」とするマスメディア集中排除原則に抵触していたとして行政指導。テレビ大分を除く4社に各地の総合通信局も行政指導を行う。いずれも抵触状態は解消している。
10.18 総務省「デジタル時代の放送制度の在り方に関する検討会」、「デジタル時代における放送の将来像と制度の在り方に関する取りまとめ(第2次)」を公表。NHKのインターネット活用業務の「必須業務化」を明示。
10.19 総務省「公共放送ワーキンググループ〔WG〕」第14回会合を開く。「デジタル時代における放送の将来像と制度の在り方に関する」第2次取りまとめを踏まえ、NHKのラジオ、衛星放送、国際放送の同時・見逃し配信を必須業務化する是非――などについて年内めどに結論を得る方針を確認。
10.26 総務省、民放とNHKなど196社・団体に地上基幹放送局の再免許状を交付。民放連加盟の全地上基幹放送局194社が再免許を受ける。免許期間は5年間(2023年11月1日―2028年10月末)。