放送日誌 2024年5月

編集広報部

放送界の動きを中心に、行政や海外の動向もあわせ、1カ月の動きを日誌形式で記録します。
*2024年5月分を掲載。


【民放連】
5.15 民放連会員テレビ140社、2024年春改編に選定した「青少年に見てもらいたい番組」を公表。民放連ウェブサイトに1,015番組の選定理由や放送日時を掲載。

5.21 民放連・NHK・障害者放送協議会、7回目となる「視聴覚障害者等向け放送に関する意見交換会」を都内で開催。総務省地上放送課課長らもオブザーバー参加。総務省の研究会が2012年5月にまとめた報告書の提言を踏まえ、字幕放送、手話放送、解説放送の各テーマで放送局側からの最新状況の報告と障害者側からの意見や質問が述べられ、全体を通じて意見交換を行った。

5.22 2024年度第1回理事会を開催。▷2023年度事業報告・決算▷総務委員会と経営委員会の統合▷定時総会の開催──を承認。

5.30 デジタル戦略特別部会の山田克也副部会長と本橋春紀事務局長、総務省「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会」の第21回会合のヒアリングに出席。インターネット上への広告出稿における課題、コンテンツ違法アップロードによってライツホルダーに適切に広告費が還元されない問題、生成AI技術を悪用した民放ニュースコンテンツの改ざん――など、デジタル広告のエコシステムに重点をおいて指摘。民放事業者からプラットフォーム事業者(PF)に①違法アップロードへの対応、②透明性を高める取り組み、③広告に関する基準の公表――を要望したうえで、表現の自由を侵さないことを前提としつつも、PFによる一定のルールの策定と履行を求める制度の必要性を訴えた。

5.− 「放送人基礎研修(民放連とNHK共催)」を開催。2日間の同一プログラムを2回にわたりオンライン形式で実施(51011日、同2425日)。民放とNHKから入社13年目の若手社員が第1回に149人、第2回に147人が参加し、放送倫理の基礎的事項を学ぶ。


【放送・マスメディア】
5.13 テレビ大阪、新社屋に移転し放送を開始。放送設備の高度化・災害対応の重視・社屋老朽化を総合的に判断し、1982年に開局して以降初めての移転となった。

5.13 TBSテレビ、米Bloomberg(ブルームバーグ)と連携し新たなニュースサイトを開設するため戦略的パートナーシップを締結したと発表。

5.22 NHKの稲葉延雄会長、記者会見で同17日に成立した改正放送法について「歴史的な転換点」と期待を示す。配信開始は2025年度後半を目指し、今秋を目途に業務規程を公表するとした。

5.30 テレビ東京、石川一郎社長が社長会見で3月28日に放送した『激録・警察密着24時!!』で取り上げたアニメ関連商品をめぐる不正競争防止法違反事件について事実誤認により不適切な内容があったとして謝罪した。

5.31 第61回ギャラクシー賞(放送批評懇談会主催)の贈賞式が開かれる。民放からはテレビ部門でWOWOW『連続ドラマW「フェンス」』が、ラジオ部門で静岡放送『SBSラジオギャラリー「方言アクセントエンターテインメント~なまってんのは、東京の方かもしんねーんだかんな~」』がそれぞれ大賞を獲得。

5.31 日本テレビ、ドラマ『セクシー田中さん』に関する調査報告書を公表。


【行政・海外】
<行政等>
5.17 「放送法の一部を改正する法律」が参議院本会議で可決・成立し、同24日に公布。総務省「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」の2023年10月の取りまとめ(第2次)等の提言を踏まえ、①民放に対するNHKの協力義務(3カ月以内に施行)、②NHKインターネット活用業務の必須業務化(1年6カ月以内に施行)――を新たに規定した。いずれも政令で定める日から施行。

5.27 気象庁、線状降水帯による大雨を「府県単位ごと」に呼びかける新たな運用を開始。当初予定していた28日からの運用開始を、広範囲の大雨が予想されたため1日早めた。

<海外>
5.9 英Ofcom(放送通信庁)、英国におけるオンライン配信の将来について検討した報告書「Future of TV Distribution」を公表。同報告書は視聴者の視聴習慣の現状を示し、今後数年間の公共サービス放送(PSB) の普遍的な提供を持続可能にする方法をまとめている。

5.21 EU(ヨーロッパ連合)理事会で、AIに関する世界初の国際的規制となるAI法案が成立。同法はリスクに応じてAIを分類し、利用の禁止・要求事項などをそれぞれ義務付けるとともに罰則を定める。一部の規定を除き2026年に全面適用される予定。

5.24 英国の「メディア法案」が成立。放送局への規制緩和と配信サービスへの新しい規制を盛り込んだ。配信サービスはOfcomの管轄下となり「VOD基準」の遵守が義務づけられる。

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