福島中央テレビ 夕方ワイド『ゴジてれ』県民に愛され30周年 感謝の気持ちをこめたスペシャル企画を放送!【制作ノートから】⑥

堀田 泰裕
福島中央テレビ 夕方ワイド『ゴジてれ』県民に愛され30周年 感謝の気持ちをこめたスペシャル企画を放送!【制作ノートから】⑥

作り手の思いに触れ、番組の魅力を違った角度から楽しむシリーズ企画「制作ノートから」。第6回は福島中央テレビの堀田泰裕プロデューサーに、夕方帯のワイド番組『ゴジてれChu!』(福島中央テレビで月~金、15:50~19:00放送、30周年企画の一部は番組ウェブサイトで配信中)について執筆いただきました。福島県民の生活に寄り添い放送してきたからこその企画、さらには10月にひかえる4時間スペシャルの情報まで、盛りだくさんの内容です。(編集広報部)


今から30年前の秋に、福島中央テレビは月~金、夕方17:00~19:00までの2時間情報ワイド帯番組『ゴジてれシャトル』をスタートさせました。時代はバブル経済がはじけ混迷を極める中、「明日は誰にもわからない」と歌うMr.Childrenの「Tomorrow never knows」が大ヒットを記録している1994年10月のことでした。当時、私は中学生でしたので番組立ち上げ時のことは詳しくはわからないのですが、制作部は情報番組を毎週1回しか作っていなかったそうで、いきなり制作量が5倍に膨れ上がったのですから想像するだけでもゾッとします。

2008年には、『ゴジてれChu!』としてリニューアル。シャトル時代と合わせて30年、ここまで続けてこられたのは、ひとえに福島の視聴者の皆さんのおかげです。そこで、2024年4月から感謝の気持ちを込めた30周年スペシャル企画を打ち出してきました。

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<1994年放送開始の『ゴジてれシャトル』 貴重な当時の放送映像>

過去12年分の番組同録が存在しない...を逆手にとって受賞!

『ゴジてれシャトル』は、2回目の放送から12年分の同録が残っていません。番組開始当初は、おそらく人手不足でそこまで手が回らなかったんでしょう。その致命的な"やらかし"を逆手に取り、視聴者から過去に取材され自分が映っているゴジてれの録画VTRを募集し、今の様子を再び取材に伺うという企画をはじめました。

題して「昔のゴジてれの映像探しています」。ツーリングが趣味の親子が20年たち孫も加わり3世代でツーリングに出かけるようになっていたり、赤ちゃんで出演していた子が日本一のダンサーになっていたりと視聴者それぞれの物語を描くことができました。中でも、視聴者からのお便りFAXコーナーへよく投稿いただいていた市川さんという女性に関する取材「ゴジてれ大好き!亡き妻を夫と偲ぶ」は非常に印象的な回となりました。我々制作者からするとFAXコーナーは"生放送の尺調整"という考えにもなりがちですが、視聴者にとっては番組で紹介されることは滅多にない特別な出来事であり、大切な思い出だったのです。

番組草創期を知るスタッフが少なくなる中、日々休むことなく長寿帯番組の放送を続ける苦労が視聴者とのかけがえのない接点となり、番組が県民にとっても局にとっても無くてはならない存在となっていることを知らされることとなり、努力が報われ、また明日に向かえる勇気をもらった機会となりました。その後、この企画は第27回NNS情報番組大賞(2024年6月)にて優秀賞を受賞しました。

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<「昔のゴジてれの映像探しています」ゴジてれ大好き!亡き妻を夫と偲ぶ5月21日放送>

ゴジてれが世界へ...海外取材&史上初の海外からの生中継

夏には予算をなんとか搾りだしてゴジてれワールドジャーニーとして世界へと飛び出しました。7月のパリ編では、kawaiiカルチャーの第一人者・増田セバスチャン監修のもと、赤べこなど福島の伝統工芸品にカワイイ要素を取り入れた新規開発に挑戦! "FUKUSHIMA KAWAII KOGEI" として、パリで開催された日本文化の総合博覧会JAPAN EXPOにて展示販売し、7月12日(金)にその様子を生中継で放送しました。当社としても海外からの生中継は54年の歴史で初めてのことです。

そして8月には、南米ペルーにあるインカ帝国の遺跡・マチュピチュロケを敢行!
今や世界的な観光地となったマチュピチュ村の初代村長・野内与吉さんは、実は福島県大玉村出身です。今から100年以上前に移民として海を渡ったその波乱万丈の人生とは? 彼が愛した大玉村とマチュピチュ村、今につながる二つの村の絆とは? マチュピチュの遺跡にたどりつくまでで日本から丸4日間。トータル2週間かけて現地取材し、8月13日(火)~16日(金)の4日間にわたって放送しました。

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<パリから生中継に挑む加藤さわアナウンサー=㊤、野尻英恵アナウンサーの南米ペルー「マチュピチュ」での取材=㊦>

10月にはゴールデンタイムまで延長!4時間スペシャル

丸30年となる10月4日(金)には、いつもより1時間延長して午後7時56分までの4時間スペシャルを放送し、ゴジてれの30周年をしめくくる予定です。番組の大きなテーマは「感動の共有」です。いつもスタジオの料理コーナーでシェフが作る料理は本当においしい。でも普段は実物をお届けすることはできません。そこで、シェフたちがタッグを組んで県産食材で2025年正月のおせち料理を開発し、販売します。

さらに、アナウンサー達が記憶に残したい福島の風景を撮影しに行き、カレンダーにする企画や、30年のニュースを喜怒哀楽で振り返る企画、県内3カ所から花火を打ち上げて、テレビを観つつもみんなで空を見上げる時間も届けたいと思っています。
 スタッフ、出演者総動員で作る4時間特番ですが、これで終わりではありません。ゴジてれが、福島にもっともっと必要とされる番組になれるようスタッフ一丸となって翌週からの31年目のゴジてれを制作していきたいと思います。

<30周年CM>


■ゴジてれ30周年特別WEBサイト
https://www.fct.co.jp/goji/30th/

■『ゴジてれChu!』
1994年10月3日に東北初の2時間の情報生ワイド帯番組「ゴジてれシャトル」の放送をスタート。「シャトル」には、宇宙と地球を行き交うスペースシャトルや、バドミントンでラリーするシャトルのように視聴者との双方向のやりとりを目指すという意味がこめられました。2008年に「ゴジてれChu!」に名前を変え、放送時間も3時間に。「視聴者との相互関係」「ラリーがしたい」という思いは変わらず、2024年に「ゴジてれ」は30周年イヤーに突入しました。

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