第44回「地方の時代」映像祭2024(主催=民放連、NHK、関西大学などで組織する実行委員会)が11月9―15日に大阪・吹田市の関西大学千里山キャンパスで開かれた。
11月9日にコンクールの贈賞式が開かれ、冒頭、主催者を代表して高橋智幸・関西大学学長から開会の挨拶と宣言が行われた。
<関西大学の高橋学長(右)による挨拶と宣言>
続いて4部門(放送局、ケーブルテレビ、市民・学生・自治体、高校生(中学生)の各部門)の合計320作品から選ばれた優秀賞・選奨・奨励賞の作品が表彰された。
さらに入賞作品の中から選ばれるグランプリ等の発表に移り、ここで和田省一審査委員長から「今年はこれまでの映像祭で2番目に多い参加作品があり、非常に評価の高い作品が多く、審査委員特別賞を贈ることにした」と例年にないサプライズ。「審査委員特別賞」として、テレビ金沢『復興スーパー ~もとやさん一家の願い~』、毎日放送『映像24「政治家が最も恐れる男」』の2作品が発表された。
<和田審査委員長から審査委員特別賞、グランプリを発表>
同映像祭最高賞のグランプリは、名古屋テレビ放送『メ~テレドキュメント 掌で空は隠せない~1926 木本事件~』(=冒頭写真)が受賞。同作品は、1926年、三重県木本町(現在の熊野市)でトンネル工事に従事していた朝鮮人が、武装した町民の集団に襲われ殺害された「木本事件」について、事件の風化が進む中、事件の記憶を後世に伝えようと活動する人たちを取材したドキュメンタリー。贈賞式で岡本洋一ディレクターは「地元の放送局として、このような歴史と丁寧に向き合っていくことの重要性を再認識しました」と語った。
<グランプリを受賞した名古屋テレビ放送の岡本洋一ディレクター(左)と村瀬史憲プロデューサー(右)>
和田審査委員長は「地元ではタブーとなり、ほとんど忘れ去られている事件を掘り起こして徹底的に取材し、隠れていた事実に新しい光を当てた。取材力とともに作品としての完成度も非常に高かった」と講評した。
グランプリ、審査委員特別賞のほか、放送局部門の受賞作品は以下のとおり。
【優秀賞】
関西テレビ放送『ザ・ドキュメント 逆転裁判官の真意』
NHK札幌放送局『NHKスペシャル 「OSO18 "怪物ヒグマ" 最期の謎」』
【選奨】
信越放送『SBCスペシャル 78年目の和解 ~サンダカン死の行進・遺族の軌跡~』
琉球放送『揺らぐ地方自治~辺野古移設が問うもの~』
テレビ新潟放送網『ドキュメント新潟 20年後の花 中越と能登、過疎と地震』
このほかの部門の入賞作品は同映像祭のウェブサイトから。
11月30日13時30分―17時には、東京・丸の内の関西大学東京センターでグランプリ受賞作品の制作者らを招いた上映会を開催する(詳細・事前参加申し込みはこちらから)。(いずれも外部サイトに遷移します)
(※)グランプリを受賞した名古屋テレビ放送『メ~テレドキュメント 掌で空は隠せない~1926 木本事件~』は以下のサイトで配信版が視聴可能(本記事掲載時点)。
【YouTube メ~テレニュース ch】(外部サイトに遷移します)
https://www.youtube.com/watch?v=5d4VofhCHIo
【Locipo】(外部サイトに遷移します)
https://locipo.jp/creative/468d82ab-a326-4af2-b2a7-1793f7047130