秋田放送は開局70周年特別企画として、4月からリスナーが企画・制作するラジオ番組『ABSフリースタイル』(日、24・30―24・45)をスタートした。リスナーが自身のスマートフォンなどで制作した音声コンテンツをオンエアする。番組パーソナリティ・ディレクターとしてラジオに関わってもらうことで、リスナーに魅力や楽しさを再確認してもらうことを目的としている。
番組名のとおり、番組の内容や構成は定型化せず、それぞれの個性や関心を自由に発信してもらう。企画を進めた三瓶晃司・取締役コンテンツビジネス戦略局長は「スマートフォンなどがあれば誰もが動画や音声を発信できる時代に、ラジオ放送のあり方を考える実験場になればいいのでは」と狙いを明かす。
1―2月に企画の応募受付を開始し、21人から24の企画が集まった。応募者の年齢は30―40代が中心で、職業は会社員やミュージシャン、お寺の副住職など、バラエティに富む。三瓶氏は「ラジオに意義を感じ、企画を応募してもらっていると感じる」とコメント。応募された番組企画は考査し、応募者の選挙への出馬予定の有無の確認や、音楽の著作権処理などを行ったうえで、全て放送する予定だという。
ラジオをあまり聴いたことがない人の一人語りや、秋田への移住を促す番組などが並ぶ。実際に番組を放送した応募者からは、「友人や会社の同僚から反響があった。自分の作った番組をいろんな人が聴いてくれていると思うと、頑張ってよかった。今後もっとラジオを聴いてみようと思う」などと反応があったという。
番組は2024年3月まで継続することとし、夏ごろに企画の二次募集を開始する予定。三瓶氏は「 "ラジオとはこういうものだ"という凝り固まったわれわれの想像を超える新たなコンテンツが出てきてほしい」と期待を語る。