米国でのオーディオ聴取動向に関する2つの調査結果が、3月に相次いで公表された。いずれの結果でも、地上波AM/FMラジオが他媒体を抑え、圧倒的な強さを示している。
広告効率高い地上波AM/FMラジオ
米大手ラジオ運営会社キュムラスメディアとカナダの音声メディア調査会社シグナル・ヒル・インサイトは共同で、全メディアにおける「広告を避ける頻度」を調査した。その結果、「絶対に避けないか、避ける頻度が半分以下」と答えた人が最も多かったのが地上波AM/FMのリスナー(35%)で、広告効率の高さを証明する結果となった。以下、印刷媒体が33%、ポッドキャストが29%、ストリーミングAM/FM局が27%と続き、テレビは25%、無料オンライン音楽ストリーミングサービスが24%、最下位がユーチューブを含むオンライン動画配信サービスの16%だった。ラジオに限って分析すると、パンドラやスポティファイは自宅でのバックグラウンド再生が多いのに対し、地上波AM/FMは車中や職場できちんと「聴く」人が多いことも、この調査で判明した。調査は昨年10月、全米の13歳以上1,500人を対象に実施した。
AM/FMラジオ、市場シェア圧倒的
米調査会社エジソンリサーチが2021年第4四半期の広告入りオーディオコンテンツの聴取時間を主要層別に調べた調査では、AM/FMラジオの聴取時間が他を大きく抑えた。最も顕著だった層が35~64歳で、79%の人がAM/FMラジオを聴くと答え、ポッドキャスト(9%)、パンドラ(6%)、シリウスXM(4%)、スポティファイ(2%)に大差をつけた。そのほかの層も、多少の違いはあったものの、いずれもAM/FMラジオが圧倒的だった。特に、車内オーディオでの聴取はAM/FMラジオの独壇場で、18歳以上の全年齢層で安定して80%以上のシェアを保っている。調査は全米4,000人を対象に行った。