仏メディア規制機関ARCOM新たに発足 CSAとHADOPIが統合

編集部

フランスで1月1日、新たな独立規制機関ARCOM(視聴覚とデジタルコミュニケーション規制機関)が始動した。これまで放送などのメディア規制監督を行っていたCSA(視聴覚高等評議会)と、海賊版などネット上の違法行為を取り締まるHADOPI(インターネットにおける著作物の頒布および権利の保護のための高等機関)が統合したもの。

同機関の設立は、2018年に公布された欧州委員会による視聴覚メディアサービス指令(AVMSD)の改正にフランスが準拠したことが背景にある。動画共有プラットフォームやSNSの不正利用拡大に対応するため、従来はテレビ放送とオンデマンドサービスを対象としていた規制の範囲を拡大した。同国は、昨年10月に「デジタル時代における文化作品へのアクセスの保護と規制に関する法律」を制定し、年初からメディア規制とオンラインの不正や違法行為の取り締まりを一つの規制機関で行うことにしていた。

ARCOMの理事会は9人で構成される。理事は同国の行政、立法、司法に関わる5当局から任命され、理事長は大統領が指名。初代理事長をCSAの委員長が務め、理事にはCSAの委員6人が再任命されたほか、HADOPIの理事経験者が選ばれている。任期は6年で、延長や再任命はできない。

「コミュニケーションの自由を保障し、視聴覚メディア・デジタルメディアの多元性と、すべての人権を尊重する」とうたうARCOM。欧州指令の改正に従ってネットフリックスなどの海外SVODのコンテンツ規制(3割以上を欧州制作のものとする)を行うほか、仏作品の採用や国内制作への投資も要請する。また、違反者に対しては勧告だけでなく、プラットフォーム世界売上高の6%もしくは最大2000万ユーロの制裁金を課す権限も持つ。懸案となっているスポーツ中継の違法ネット配信の取り締まりや、ユーチューブ、フェイスブックなどオンライン上のヘイトスピーチ、フェイクニュースの規制にも取り組む。

フランスでは今春大統領選が控えており、ARCOMの手腕が早速試される。加えて、昨年発表された2大放送グループ(TF1とM6)の合併承認審査も急務とされている。

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