次世代テレビ全米約半分の世帯にリーチ 今後の導入方針を検証 FCC

編集広報部

米連邦通信委員会(FCC)が6月22日、全米での次世代テレビ規格ATSC3.0NEXTGEN TV)の導入状況に関する新たなデータを発表した。それによると、ATSC3.0は全米68市場、世帯数にして約6,630世帯(全米全世帯の約51.1%)で利用可能となっている。

今回FCCが新データを公開した目的は、導入状況を振り返るとともに、今後の方針や導入ルールを決めるにあたり、意見募集を行うためだ。実際どれだけの人がATSC3.0経由でテレビを見ているのか、チューナーを使っている人がどれだけいるのか、何台のテレビが受信できるのか――など具体的な数、状況を把握しようとしている。ATSC3.0導入開始時に採用された規格移行のための規則が来年で満期を迎え一区切りとなるため、FCCは予定どおりこれらを廃止すべきか、継続すべきかどうかも見極めようとしている。

ATSC3.0は、超高精細映像やより充実したローカルコンテンツ、ターゲット広告、データキャスティングなどの次世代技術を放送局に提供するも新しい放送規格。導入認可から4年たっても、従来規格(ATSC1.0)で運営するテレビ局側が、ATSC3.0を今も"ライバル技術"と見なしているかどうかも、FCCとしては知りたいところだ。また、市場環境に応じたテレビ局側の自主的なATSC3.0規格への移行という実態を評価するとともに、ATSC 3.0技術の特許保有企業(最大手ではシンクレア・ブロードキャスティング・グループ)らが、技術を公平に他局へライセンシングしているかについても評価するとしている。

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