米連邦通信委員会(FCC)のジェフリー・スタークス委員が3月18日、近く退任すると発表した。具体的な日付は示されていない。FCCの定員は5人。このうちの1人が大統領の指名で委員長となる。1月20日、政権交代のタイミングで当時のジェシカ・ローゼンウォーセル委員長(民主党)が退いたのに伴い、トランプ大統領が委員の一人ブレンダン・カー氏(共和党)を後任の委員長に指名した。ローゼンウォーセル氏の辞任でできた空席には、同大統領がオリビア・トラスティ氏(共和党)を指名し、現在連邦上院議会の承認待ちとなっている。
このため、現在の構成員は共和党が委員長のカー氏とネイザン・シミントン氏、民主党がスタークス氏とアナ・ゴメス氏で、民主党2・共和党2の計4人(冒頭画像はFCCのウェブサイトから)。そこからスタークス氏が抜けると共和党2、民主党1人の3人の構成となる。上院議会で承認待ちのトラスティ氏が加われば共和党3人、民主党は1人と共和党が圧倒的有利になる。
法律で1政党から3人を超える委員を選出することはできず、トランプ大統領が空席に共和党委員を指名して4対1になることはない。審議には最低3人いればよく、大統領による新たな指名はしばらくないとみられている。トラスティ氏が指名されると議決に必要な4人に達しており、同大統領が空席にあえて民主党委員を指名する理由はないというのが米メディアの見方だ。
スタークス氏のFCC委員就任は2019年1月。その前年の民主党委員ミニョン・クライバーン氏の辞任に伴い当時のトランプ大統領から指名され、2023年にバイデン大統領が同氏を再任命した。しかし、スタークス氏はすでに24年12月に辞意を示していたとも伝えられており、その際、連邦上院議会の民主党トップであるチャック・シューマー議員(ニューヨーク州)から、新政権下での民主党の圧倒的な不利を回避し共和党の政策に歯止めをかけるために翻意を懇願されていたという。
トランプ大統領に近いカー委員長の下でFCCは大きな政策転換を図っており、民主党にとってはFCC内での発言力が下がる展開は避けたかったはず。今後どのような動きがあるのかも注目される。