北海道放送(HBC)は、全6話の連続ドラマ『三笠のキングと、あと数人』(外部サイトに遷移します、=冒頭写真)を4月25日から北海道地区ローカルで放送(金、18:30~19:00)する。HBCが制作する連続ドラマとしては2012年の『スープカレー』以来13年ぶりとなる。
本ドラマの特別協賛社である日昭株式会社の渡辺征昭社長から、1958年からこれまで約200本のドラマを制作してきたHBCにオファーがあり、制作に至った。本ドラマは、かつて炭鉱街として栄えた北海道三笠市を舞台に、生きづらさを抱えた地元の若者たちが、町とともに成長していく姿を描いたハートフルコメディ。
主演は高杉真宙さんと柄本時生さんが務め、主題歌を北海道出身のロックバンドGLAYが担当し、これまでライブだけで歌われてきた『Beautiful like you』の提供を受けた。原案を手がけたクリエイターの田邊馨さんの祖父がかつて三笠の炭鉱マンで、田邊さん自身も幼い頃にお盆の時期を過ごしたことから三笠市が舞台となった。
かつて、全国ネットドラマ枠のあったHBCだが、同枠の終了とともにドラマ専属の部署もなくなり、今回はタッグを組む制作会社を探すところからスタートした。HBCからは、コンテンツ制作センター情報制作部とメディアテクノロジー局制作技術部が担当。プロデューサーや技術職を担当する専従の6人に加えて、両部の全員が何らかの形でドラマ制作現場を体感できるよう調整を行い、and pictures社とLat‐Lon社の制作協力を得て撮影・制作を行った。
and pictures社はこれまで、全国の地方自治体と一緒に数多くの映画を製作。舞台となる自治体と実行委員会を組成し、官民一体となって作品を作り上げる手法を、本作にも導入した。三笠市や同市民が出演者・スタッフの食事や宿泊のほかエキストラ手配などを担当し、2024年8月2~30日に撮影を行い、延べ400人のエキストラが参加した。
「三笠市民の皆さんとご一緒したことで、地域において、地方局だからこそできることが、まだまだあると再認識した」と話すのは、エグゼクティブプロデューサーを務めたHBCコンテンツ制作センター長兼局長の藤枝孝文さん。「道内179市町村それぞれに固有の歴史とその伝統を守る人がいる。ドラマに限らず、ニュース、情報番組、映画、配信など、HBCの資源を活用してその物語を描くことで、地方発エンタメの可能性はまだまだ広がると思う」と今後の展開に意欲を示した。