北海道放送、CBCテレビ インターン生がテレビ局で制作体験 学生の視野広げ、地域経済に寄与

編集広報部
北海道放送、CBCテレビ インターン生がテレビ局で制作体験 学生の視野広げ、地域経済に寄与

放送局が学生をインターンシップで迎え、実践的な取材活動や動画制作を経験させる取り組みがみられる。そのうち、留学生が作った番組を放送する、学生と地元企業とのつながりを創出するなど、特徴的な2社を紹介する。


北海道放送:大学院との連携強める

北海道放送は2022年12月29日、北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院とのインターンシップの一環で、学生が制作したテレビ番組『学生が見たSDGs 北海道から未来へ』を放送した。インターンは7―12月に行い、参加した中国人留学生3人はSDGsの17の目標の中からテーマを自ら考えて取材や撮影を行い、4―7分程度のVTRを制作した。

同大学院からのインターンは2018年から受け入れを始めた。特に中国からのインバウンドへの効果を視野に、留学生を中心に募集している。開始当初は2週間程度の開催で、海外番販にかかわる部署での業務だった。新型コロナの感染拡大による休止期間を挟み、21年からオンラインを活用して動画制作を行う形式にリニューアルし再開した。

制作経験のある同社の社員が、取材の対象選びや申請方法、構成台本の書き方などを指導(=写真㊤)。学生は自身のスマートフォンなどで撮影し、外部からの資料映像の取り寄せの交渉なども行った。また、放送だけでなくウェブ配信の許可も確認させるなど、権利関係に注意しながら進めるよう指導した。12月の放送は、スタジオで学生に感想などを聞きつつ、それぞれのVTRを流すという21分の番組に再編集したもの。

構成台本の改訂は第5稿ほどに及ぶなど学生は苦労したため、完成したVTRを見てとても感動した様子だったという。担当したメディア戦略局編成部の吉田智彦氏は「海外発信も視野に、地元の観光振興やビジネスにつながるような実践的なインターンシップを構築していきたい」と目標を語る。

<北海道放送『SDSs北海道から未来へ』

CBCテレビ:学生と企業がつながるきっかけに

CBCテレビは2022年10―12月、インターンシップイベント「JOB-1グランプリ」を実施した。地元の南山大学と名古屋学院大学の学生20人が4チームに分かれ、それぞれ地元企業2社を取材し紹介動画を制作。企業の魅力を最も表現した動画を「グランプリ王者」として表彰。同社のプロデューサーが、企業の魅力の伝え方や動画制作を指導し、学生自ら撮影や取材などを行った(=写真㊦)。

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優秀な人材との接点を求める企業と、就職活動に活用できる経験をしたい学生をつなげることによって、地元企業・経済の活性化や学生の職業観の向上を目的とする。担当した営業戦略部の大岩聡氏は「コロナ禍で学生が経験を積みにくい中で、通常のインターンとは異なる視点で企業に触れてほしい」と狙いを語る。

参加した学生からは「知らなかった企業・業界に出あう機会になった」「就職活動の際の視野が広くなった」などの声があった。取材を受けた企業にとっては、今の学生の本音や価値観を知る機会になったという。

学生が制作した動画は1月からウェブで配信し、学生ならではの視点で伝えた企業の魅力を、広く発信する。大岩氏は「"企業、学生ともに参加したくてたまらないイベント"として定着させていきたい。今後さらに充実した企画にしていく」と意気込みを語る。今年は8―12月に実施を予定する。

<CBCテレビ「JOB-1グランプリ」グランプリ勝者の動画

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