JAA 2024年度の活動方針を表明 「業界全体の健全な発展」に向け取り組む

編集広報部

日本アドバタイザーズ協会(以下、JAA)は、4月23日に2024年度の事業説明会を開催した。冒頭、川村和夫理事長から、「われわれアドバタイザーは、不安定な社会情勢やメディア環境の変化、それに伴う消費行動の変化に柔軟に対応しつつ、高い倫理観とコンプライアンス遵守の精神の下で、効率・効果的なコミュニケーションを図っていく、大変難しい舵取りをしなければならない。各委員会・プロジェクトを中心に業界全体の健全な発展に向けて取り組んでいきたい」とあいさつがあった。

5つの重点領域

続いて、中島聡専務理事から、本年度の重点領域として▽企業のコミュニケーション活動に係る人材育成の強化、▽デジタル技術の発展に伴うコミュニケーション戦略の研究、▽コンプライアンスや倫理観に関する啓発活動、▽デジタル技術による広告不正問題への対応、▽企業の社会課題への取り組みに関する研究――の5つを挙げ、「コミュニケーションの手法が多様化・複雑化する中で、"広告"の定義を再考すべき時が来ている。業界の課題解決に向けて、イニシアチブを取っていきたい」と運営方針について説明した。

メディア横断の課題解決を検討

最後に、全9つの委員会・プロジェクトの委員長からそれぞれ報告があった。メディア委員会の鈴木あき子委員長(サントリーホールディングス)からは、媒体ごとの委員会を統合して、メディア委員会を新設したことを受け、「各媒体の課題を共有し、横断的に対応を検討していく」との説明があり、各媒体の取り組みを報告した。

テレビ・ラジオメディアについては、リアルタイム配信やコネクテッドテレビなど視聴形態が多様化するなかで、今後のテレビ、ラジオメディアはどういった役割を担える媒体に位置し、メディアプランニングにおいてどのように活用していけるのかの研究・発信を行うほか、字幕付きCMについても引き続き活動を推進するとした。
また、デジタルメディアについては、デジタル広告市場の健全化に向け、アドフラウド、プライバシーの保護、プラットフォーマーとの取引の透明性、MFAサイト(Made-for-Advertising、広告表示のためにつくられたウェブサイト)を含む掲載先コンテンツの問題など、多岐にわたる課題をアドバタイザーがまず認識し、デジタル広告品質認証機構(JICDAQ)や関係団体、関係省庁と連携しながら、それらを解決する道を模索するとしたうえで、「生活者から信頼されるデジタル広告の実現を目指して取り組んでいく」と述べた。

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