民放連とNHK、日本視覚障害者団体連合(日視連)の「解説放送に関する意見交換会」が3月6日、オンラインで開催された。
同意見交換会は、解説放送の質の向上を目的として、2018年度から定期的に開催しており、今回で5回目となる。会合では、①NHK、②テレビ朝日、③毎日放送が解説放送付与番組を再生しながら、具体的な取り組みや課題などを報告し、各番組について意見交換を行った。
①NHKはパリパラリンピックの振り返りを行う生放送番組や、NHKスペシャルなどでの実例を紹介。「日本語以外の言語を解説放送によって吹き替えを行うことできちんと情報が提供されている」などと評価する声があった。
②テレビ朝日はドラマ『おっさんずラブ-リターンズ-』、ドキュメンタリー『人生の楽園』、アニメ『クレヨンしんちゃん』の3番組について、解説放送づくりの工夫を説明。ドラマでは、作品の世界観を的確に伝えるため、演技や間などを活かし台本に書かれていない部分にも踏み込んで解説を付与した。解説文の検討には、担当プロデューサーも積極的にアイデアを出したという。日視連側からは「効果音が中心のシーンについても解説があり登場人物の感情の理解ができた」との意見があった。また、短い尺の中で、ナレーションが会話を邪魔しないよう、解説を付与する難しさについて、同局の担当者が言及した。
③毎日放送は全国高校ラグビー大会決勝戦の生中継での解説放送事例を紹介(関連記事はこちら)。同社は、日本ライトハウス情報文化センターの協力のもと、事前に解説放送に関する勉強会を行ったうえで、大会当日の解説放送に臨んだ。「テレビの中継だと言葉が少なめになるが、解説放送では、ボールがゴールから何cmの位置にあるなど詳しい実況があり分かりやすかった。ロービジョンの人以外にとっても、ありがたいと思う」などと評価された。
このほか、見逃し配信への解説付与、ローカル局での解説放送を望む意見があった。