米ニールセン Nielsen One Ads始動 広告視聴測定の次世代サービス

編集広報部

ニールセンが導入する次世代視聴データシステム「Nielsen One」の新モジュール「Nielsen One Ads」が、1月11日(現地時間)からまず全米で始動した。デバイスや配信プラットフォームを問わず、コンテンツの視聴者数を測定する「Nielsen ONE Content Alpha」は、年内に始動すると発表されている。

Nielsen One Adsは、全プラットフォーム(リニアテレビ、配信デバイスやコネクテッドTV、PC、スマホなどのモバイルデバイスなど)での広告視聴データを統括して提供するサービス。ニールセンは新機能として、▷現在の業界スタンダードである1分単位の視聴データではなく、1秒単位で測定する▷「always on」機能を追加し、24時間体制でリアルタイムのデータを提供。これにより広告主や広告会社は、ニールセンの発表を待つことなく、重複視聴を排除したデータにいつでもアクセスできるようになる▷年内に、アドバンスト・オーディエンス・データ(例:住宅や車を購入したばかりの視聴者の推定や、消費者がいつ・どの広告を見て、その結果何を購入したかまで効果測定ができる情報)も追加する――など挙げて強調している。

■実用性に対する業界の懸念も

ビッグデータとパネル世帯データを組み合わせたデータに対しては、業界では疑問視する声もあるとアドエージ誌が伝えている。ニールセン内部でも、すぐには広告売買のカレンシーにはなりえないという意見がある。秒単位のデータも同様で、「今のところこれらの新データは、リサーチと企画の材料としては有用だが、実際の広告取引カレンシーとしては使えない」とニールセン製品管理担当上級副社長のキム・ギルベルティ氏が同誌にコメントしている。

テレビ広告の業界団体VABVideo Advertising BureauCEOショーン・カニンガム氏も、ビッグデータとパネル世帯の組み合わせという信頼性に疑問が残るデータを、24時間リアルタイムでアクセス可能とすることに批判を表明。「全ての側面から、まだ発展途上のサービスと言わざるを得ない」としている。

テレビ局・配信サービス各社は、代替カレンシーとしてComscoreVideoAmpiSpot.tvSamba TVなどとすでに提携しており、Nielsen Oneはこれから提携先を開拓していく必要がある。

最新記事