インターネット上にテレビ番組や映画を違法に掲載する海賊版サイトやアプリが、年間推定13億4,000万㌦の広告収益を上げていることが分かった。インターネットセーフティに取り組む米国の非営利団体DCA(Digital Citizens Alliance)が海賊版対策大手White Bullet社と共同で1年間調査し、8月に発表した結果によるもの。
同調査によると、海賊版サイト等に掲載されている全広告のうち、トップからアマゾン、フェイスブック、グーグルのデジタル大手3社による出稿が実に73%を占めていることが分かった。これでは違法コンテンツのまん延を助長することになると、DCAは指摘する。
また、これらのサイト等の利用者からの契約料収益は約10億㌦に上り、広告収益と合わせると20億㌦を超える。利用者の個人情報の売買収益や不正なストリーミング機器の販売などによる収益額は含まれておらず、それらを加算するとさらに巨大な金額になると言われている。トップ5の海賊版サイト等の年間広告収益は各社平均1830万㌦。ドメインネームを変更するなど、あの手この手で摘発を免れており、収益率も高いことから、その規模を急速に拡大しているという。
一方で、アマゾンは海賊版への出稿額が大幅な減少傾向にあることも報告されており、DCAは「問題提起すれば、出稿中止への理解を得られる可能性を秘めている」としている。