日本海テレビと鳥取大学は6月7日、「地域活性化に向けた連携・協力に関する協定」を締結した。学生の県内就職率の低下を受け、地元定着を目標に学生と企業の連携事業の支援、研究の地域向け発信などを強化し、地域の課題解決への貢献を図る。
日本海テレビは2021年度、地元が抱える問題解決を目指すのはローカル局の大きな役割のひとつという考えのもと、中期経営計画に「産官学と連携し地域の問題を解決する」との一文を盛り込んだ。学生の県内定着という課題に対処する一方で、鳥取大が抱える優れた研究成果にも着目。本協定を担当する田村昌宏・総務局長兼経営計画部長は「鳥取大は県内最大級の知的インフラ。そのリソースを当社のニュースやドキュメンタリーで取り上げて発信することは、研究者、視聴者いずれにとっても意義がある」と協定の狙いを語る。
協定では「学生と県内企業をつなぐイベントの開催」を掲げており、昨年度に「つながるカフェ」として先行実施した。日本海テレビのスポンサー企業から若手社員や採用担当者を招き、ひとつのテーブルを囲むゆったりとした雰囲気の中、学生が就職に関する悩みなどを相談できる場を設けた。10月から11月にかけて計6回開催し、企業は18社、学生はのべ50人超が参加。学生、企業の双方から好評で、特に企業側は学生へのPRの機会になるだけでなく、自社の採用活動が学生に響いているかを実際に感じた結果、方針を変更した社もあったという。今年も参加企業を増やして秋に開催する予定だ。
日本海テレビは今後、優れた研究活動への中長期的な密着取材や、学園祭と番組とのコラボレーション、放送部の学生との番組制作などを企画。協定を通じて学生との交流を深めることで、若年層の意見を番組制作やSNSの発信に活かすことも期待しているという。