自民党「放送法の改正に関する小委員会」 総務省に提言

編集広報部

自民党の情報通信戦略調査会(会長=佐藤勉・衆院議員)の下部組織「放送法の改正に関する小委員会」(委員長=石田真敏・衆院議員)は8月24日、NHKのインターネット活用業務や受信料、メディア所有規制などについて提言をまとめ、寺田稔総務大臣に手交した。

同委員会は2015年にNHKに関する提言(第一次提言)、18年に民放ローカル局のあり方などについて提言(第二次提言)を行っている。今回の提言(第三次提言)では、インターネットが普及する中、信頼性の高い情報を発信する放送メディアの果たす役割がこれまで以上に求められるとの認識を示したうえで、①NHK業務の在り方、②受信料の見直し、③メディア所有規制等の柔軟な見直し、④魅力あるコンテンツ制作、⑤設備コストの抑制、⑥同時配信等への安全・円滑なアクセス――の6項目を挙げ、総務省などに対応を要請した。

民放関連では経営の選択肢を増やすため、マスメディア集中排除原則の緩和や、複数の放送対象地域での番組の同一化を認める仕組みの検討を求めた。設備コストの抑制の観点からは、▷中継局の一部を保有するハード会社を想定した制度、▷民放の中継局に関するNHKの費用負担、▷中継局のブロードバンド代替――の検討を求めた。

NHKについては、インターネット活用業務を本来業務化とすべきか、本来業務とする場合にはその範囲をどう設定するかの検討を総務省に促した。そのうえで、公共放送としての事業規模を明確化し、受信料の適正な水準を定める仕組みの構築や、NHKが中期経営計画で示した以上の受信料の値下げの実現を求めた。

このほか放送事業者や制作会社の人材育成や規模の集約化、制作過程のデジタル化、視聴者が地上テレビ放送の同時配信に安全かつ円滑にアクセスするための支援施策の検討などにも言及している。

総務省はNHKのインターネット業務などについて「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」(三友仁志座長)で検討を進めることにしている。

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