在京各局の国葬対応 テレビ、ラジオが多角的に伝える 地上波とは異なる内容でライブ配信も

編集広報部
在京各局の国葬対応 テレビ、ラジオが多角的に伝える 地上波とは異なる内容でライブ配信も

9月27日、日本国が主催し日本武道館で14時から18時過ぎまで行われた「故安倍晋三国葬儀」(国葬)。民放onlineが在京テレビキー局、在京ラジオ局に行ったアンケートに基づき各社の対応を紹介する。


在京テレビキー局の対応

在京テレビキー局は、特番や通常番組の枠の拡大などの対応を行った。

▷日本テレビ(NTV)『NNN news every.特別版 半世紀ぶり「国葬」歴史的1日完全中継』(13・45―15・50)
▷テレビ朝日(EX)『大下容子ワイド!スクランブル拡大SP』(13・00―15・48)
▷TBSテレビ(TBS)『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(13・55―15・49)※レギュラー番組
▷テレビ東京(TX)特別ニュース枠(13・40―13・45)
▷フジテレビ(CX)『FNN特報 安倍晋三元首相「国葬」』(11・45―15・45)

世論の賛否が分かれていたことから、各局は式典中継に加えて安倍政権の功績やその検証、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治の関係、国葬が論争化した理由などをスタジオでの解説も入れて多角的に扱った。TBSは、14時頃から15時頃までは「ゴゴスマ×Nスタ」という形で2つの番組が連携し、『ゴゴスマ』を制作するCBCテレビと協力して放送した。TXのニュースは、国葬開始直前の様子を会場前とその周辺から中継を交えて伝えた。

式典の民放代表中継はCXが担当し、NHKを含む在京6社でヘリコプターの代表取材を行うなど、各局が連携して取材や中継を行った。

在京ラジオ局の対応

在京ラジオ局は、ニッポン放送が報道特別番組『安倍晋三元総理大臣 国葬儀中継』(13・00―15・30)を実施。式典の生中継だけでなく、武道館の入口や献花台からの記者レポート、安倍元首相にゆかりのある人がコメントしたほか、故人が昨年6月に『飯田浩司のOK! Cozy up!』に出演した際の音源を放送した。TBSラジオは、各ワイド番組内の通常ニュース枠やニュース情報番組で論点を含めて扱った。また、13時50分からYouTubeにて荻上チキ氏、南部広美氏、TBSラジオ・崎山敏也記者が、解説を交えながら式典の模様を実況配信した。文化放送は、レギュラー番組『大竹まことゴールデンラジオ!』(13・00―15・30)内で武道館や九段坂、国会議事堂前の様子や葬儀委員長を務めた岸田首相の追悼の辞の模様を中継した。エフエム東京はレギュラー番組『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』(13・00―14・55)内で14時から20分程度扱った。近現代史研究家の辻田真佐憲氏、社会学者の西田亮介氏を招き、リスナーからの質問にも答えながら、今回の国葬の意味を伝えた。J-WAVEは「HEADLINE NEWS」として、日経ラジオ社は『日経電子版NEWS』、InterFM897は『interfm Headline News』で首相経験者の国葬は吉田茂元首相以来55年ぶりであることや海外首脳級の出席者は50人ほどであったことなどに加えて、武道館前や国会議事堂前での反対デモについて伝えた。

在京テレビキー局はライブ配信も実施

各局は地上波とは異なる内容をインターネットで長時間ライブ配信した。

▷NTV YouTubeチャンネル「日テレNEWS」(9・30頃―18・30頃)
▷EX YouTube「ANNnewsCH」とTikTok「テレ朝news」(10・00―18・30頃)
※ABEMAでも特番を実施
▷TBS YouTube「TBS NEWS DIG Powered by JNN」とJNN系列の統合ニュースサイト「TBS NEWS DIG Powered by JNN」(9・43頃―18・43頃)
▷TX YouTube「テレ東BIZ」とニュース配信サイト「テレ東BIZ」(13・45―18・00過ぎ)
▷CX YouTube「FNNプライムオンライン」とFNN系列のオンラインニュースサイト「FNNプライムオンライン」(12・30―18・30過ぎ)

NTV、EX、CXの内容は、空撮、一般献花、反対デモ、遺骨の自宅出発から武道館到着、式典(ノーカット)。テロップは最小限にとどめ、解説やナレーションは入れなかった。TBSは、ニュース専門チャンネルであるCS放送『TBS NEWS』の内容を配信。TBSの政治担当解説委員が出演し、生前の姿のVTRや献花中は安倍元首相の功績、今後の政治の動きなどを伝えた。TXは、式典開始前に記者が式次第や参列者、野党の対応などについて説明し、開始後はできるだけ国葬そのものを見せるようにした。

ライブ配信の狙いや手応えについて各局は、「多様なライブ映像を使い、淡々と伝えることで放送と差別化を図った」(NTV)、「視聴人数は予想を上回り、ユーザーの期待に応えられた」(EX)、「地上波とは別の視点で制作し、多角的に伝えられた」(TBS)、「放送も含めて好意的な意見が多かった」(TX)、「式典をそのまま見たいというユーザーが一定数いると考え、放送とは別プログラムで配信した」(CX)としている。

最新記事