東京2020オリンピックの米国内視聴者数は減ったものの、この大会が7月の地上波放送と配信の視聴需要を引き上げたと、ニールセンが今年5月から導入している月次データ「The Gauge」の結果で示された。伸び幅は小さいが、配信とともに地上波も視聴時間が増えたことは注目に値する。
The Gaugeは、地上波、ケーブル、配信、その他(ゲームなど)の4つのカテゴリーで総テレビ利用(TUT=total usage of television)データを示し、相互比較している。7月は地上波視聴が全体の24%、配信が28%、ケーブルが38%、その他が10%だった。前月比でそれぞれ1ポイントずつ視聴者数を増やしたのが地上波と配信。ケーブルは2ポイント減だが、全体で最多の視聴時間を誇っている。その他は横ばいだった。
地上波と配信の視聴需要をけん引したのは、7月に入ってNBA決勝、MLBオールスター戦、そして東京五輪と相次いだ大型スポーツイベント。NBAプレーオフは7月に、それまでのケーブル局から地上波のABCに放送局が変わり、視聴者が移行した。NBCでは東京五輪中継が始まり、MLBオールスター戦はFOXが中継するなど「大型スポーツイベントのテレビ視聴への影響は常に強力」とニールセン。配信時間の増加も東京五輪の影響が大きく、ピーコックやユーチューブのハイライト映像で視聴時間を稼いだ。8月も引き続き、地上波と配信の伸びが予想される。