「地方の時代」映像祭 静岡放送がグランプリ受賞

編集広報部
「地方の時代」映像祭 静岡放送がグランプリ受賞

第42回「地方の時代」映像祭(主催=民放連、NHK、関西大などで組織する実行委員会)が11月12―18日まで大阪・吹田市の関西大で開かれた。

コンクールの贈賞式が12日行われ、9月に発表された入選作品の中からグランプリや優秀賞などを発表。静岡放送の『SBSスペシャル 熱海土石流 ―なぜ盛り土崩落は防げなかったのか―』がグランプリを受賞した。開発業者や行政の問題点を整理し、厳しく追及した点が優れた調査報道と評価された。贈賞式で和田啓ディレクターは「警戒区域にはまだ住民は帰ることができず、災害は続いている。前を向こうとしている人、まだ前を向けない人の声を伝える続けることが地方局の役目。『なぜ家族が死ななければいけなかったのか』という悲痛な声に答えるために、取材し続けた」と語った。

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<和田啓ディレクター

放送局部門の優秀賞には、水汚染から子どもたちを守るため立ち上がった人々の姿を追った沖縄テレビのドキュメンタリー番組『水どぅ宝』が選ばれた。平良いずみディレクターは「この賞は、子どもたちの命を守るために勇気を振り絞って声をあげてくれた市民の方たちへの大きなエールだと思っている」と話した。

12月3日には、東京・丸の内の関西大学東京センターでグランプリ受賞作品の制作者らを招いた上映会を開催する。

コンクールには放送局、ケーブルテレビ、市民・学生・自治体、高校生(中学生)の4部門に273(うち放送部門は130)作品の応募があった。審査委員特別賞は、広島経済大学の『黒い雨から76年 短命村と呼ばれた里から』。同賞に大学生の作品が選ばれたのは初めて。

放送局部門の入賞作品は次のとおり。
【優秀賞】
▷静岡放送=SBSスペシャル 熱海土石流 -なぜ盛り土崩落は防げなかったのか-(※グランプリ受賞)
▷NHK=NHKスペシャル「ヤングケアラー SOSなき若者の叫び」
▷沖縄テレビ=水どぅ宝
【選奨】
▷中京テレビ=NNNドキュメント'22 「生かすと殺す ―狩猟する医師―」
▷高知放送=にっこり笑って~山あいの写真館 10年の物語~
▷CBCテレビ=偽りのアサリ ~追跡1000日 産地偽装の闇~
▷NHK「被災の海」取材班=NHKスペシャル 被災の海 未来をどう築くか
▷NHK=ETV特集 「ずっと、探し続けて ~"混血孤児"とよばれた子どもたち~」

東京上映会やその他の部門の入賞作品については、映像祭のウェブサイトにて。

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