民放連経営委「人材採用支援事業」 民放で働く魅力を訴求

福田 大
民放連経営委「人材採用支援事業」 民放で働く魅力を訴求

民放連経営委員会(寺内達郎委員長)は"財務に関する課題への対応"と"労務に関する課題への対応"の2つを柱とする委員会ですが、これらに加えて"民放経営に関する課題への対応"にも取り組んでおり、その施策として「人材採用支援事業」を実施しています。

この事業は2016年度に「ローカル局の新卒者採用支援事業」としてスタートしたもので、就職先として民放業界の人気にかげりが見え、ローカル局における新卒採用への応募者数が減少しているという状況に対応するため、大学生に向けてローカル局で働く魅力を訴求し、就職先としてローカル局に興味を持つ大学生の母集団の拡大を目指しました。大手就職情報会社(マイナビ)と連携し、同社の就活情報サイトに民放連の特設ページを開設、特設ページにローカル局の各種業務の紹介動画等を掲載、大規模就活イベントへのブース出展などを行いました。

「ローカル局の新卒者採用支援事業」は18年度までの3年間実施しましたが、その間にインターンシップの普及や1・2年次からの業界研究などで就職活動の早期化が進んだことや、新卒だけでなく中途採用による人材確保も重要となったことを踏まえて、2019年度から名称を「人材採用支援事業」に改め、事業内容の見直しを行いました。

リニューアルした「人材採用支援事業」では、就職情報会社が開設する就活情報サイトを離れて独自ドメインによる民放の採用関連情報ポータルサイト「MINPO.WORK(ミンポウドットワーク)」を1910月に開設し、このウェブサイトを事業の柱に据えました。民放連会員社が自社の新卒・中途採用、インターンシップなどの採用関連情報を必要に応じて随時登録でき、登録された情報は絞り込み検索が可能な一覧形式で表示されるようにしました。

MINPO.WORK」の運営とあわせて19年度は、大規模就活イベント(東京、大阪)や大学内(上智大学)で、ローカル局を中心とした制作者・出演者による講演を実施。来場した大学生に民放で働く魅力をアピールするとともに「MINPO.WORK」の周知を図りました。しかし、20年度は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、大規模就活イベントが軒並み中止となり、代わって全国から就活生が参加するオンライン就活イベントが実施されるようになったことから、民放連もオンライン就活イベントに出展し、講演を行いました。

さらに、就職活動のオンライン化が進んだことを受けた新たな取り組みとして、ネット上で会員社の採用情報を一括して提供することを目的とした合同会社説明会「MINPO.WORK全国の民放テレビ・ラジオ41局オンラインセミナー」を21年1月に実施しました。会員社のうち参加を希望した41社が、オンライン就活イベント等で放送業界に興味を持った就活生に対し、1社あたり10分間の動画で会社説明・受験案内を行い、約7時間30分にわたり生配信を実施したほか、各社の説明動画は後日、見逃し配信で提供しました。

この合同会社説明会は試行的に実施したものでしたが、参加社から「セミナーの視聴がきっかけで採用試験を受験した学生を採用した」との感想が寄せられるなど好評だったため、2021年度以降も継続して実施することとしました。さらに、春から秋にかけても開催を求める声があったことから、冬(1月)に加えて、夏のインターン時期前の7月にも開催することとしました。

2022年度も夏・冬2回の合同会社説明会を行うこととしており、夏は7月30日に40社が参加して開催し、見逃し配信を行っています。

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また、ウェブサイト「MINPO.WORK」と冬の合同会社説明会の周知も兼ねて、112627日に開催されるオンライン就活イベント「キャリタス就活フォーラム」に出展し、講演を行うことにしています。「就活バラエティーYouは何しに放送局へ」と題して、所属する局も違えば、編成、コンテンツビジネス、技術、アナウンサーと職種も異なる若手放送局員4人(=画像)が、仕事の内容や職場の雰囲気などをラジオのスタジオでトークするという30分の動画です。イベント終了後はMINPO.WORKサイトにて、イベントで配信した動画と、その続編の動画も掲載しますので、学生の皆さんにはぜひご覧いただきたいと思います。なお、講演動画の企画・制作はマルチスクリーン放送協議会にお願いしました。

採用支援事業の目下の課題は、MINPO.WORKサイトの認知度の向上。オンライン就活イベントへの出展を通じたPRのほか、ツイッターやインスタグラムへの広告出稿を通じて学生への浸透を図っているところです。

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